マンション給排水管の交換費用はいくら?専有部・共用部の相場と工事の流れを解説
- 2026年05月19日
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「マンションの給排水管の交換費用は一体いくらかかるのか」「専有部分と共用部分で負担はどう違うのか」といった疑問や不安を抱えていませんか。
給排水管の劣化は、漏水などの大きなトラブルにつながる可能性があるため、計画的な修繕が不可欠です。
本記事では、物件オーナー様や管理組合の方向けに、マンションの給排水管交換にかかる費用相場を専有部・共用部別に解説し、工事の種類や流れ、費用を抑えるポイントまで網羅的にご紹介します。
最後までお読みいただくことで、ご自身のマンションの状況を把握し、将来の修繕計画を立てるための具体的な知識が身につくはずです。
目次
1. マンション給排水管の交換費用相場|専有部と共用部の違い

マンションの給排水管交換費用は、工事の対象が個人の資産である「専有部分」か、マンション全体の資産である「共用部分」かによって大きく異なります。それぞれの費用相場と、誰がその費用を負担するのかを正しく理解しておくことが重要です。
専有部分の工事は高額になりがちですが、共用部分と同時に施工することで費用を抑えられるケースもあります。
1-1. 【専有部分】1戸あたりの費用目安(20〜80万円)
専有部分である各住戸内の給水管や給湯管、排水管の交換費用は、1戸あたり約20万円から80万円が目安です。 この費用には、配管の材料費だけでなく、床や壁の解体・復旧工事費も含まれるため、工事の範囲や内装の仕様によって金額が大きく変動します。
特に、リノベーションと同時に配管工事を行えば、解体費用を一本化できるためコストを効率的に抑えることが可能です。 単独で工事を行う場合は、100万円を超えるケースも少なくありません。
1-2. 【共用部分】1戸あたりの費用目安(20〜50万円)
共用部分である、各階を縦に貫く「立て管」などの交換費用は、1戸あたりに換算すると約20万円から50万円が相場となります。建物全体の規模や配管の劣化状況によって総額は変動しますが、この費用はマンションの所有者全員で積み立てている「修繕積立金」から支出されるのが一般的です。
したがって、区分所有者が工事の際に直接この金額を支払うわけではありません。日々の修繕積立金が、こうした大規模な修繕のために使われます。
1-3. 費用負担の原則|誰が支払うのか?
給排水管の交換における費用負担の原則は、非常に明確です。水道メーターから室内側(蛇口まで)の「専有部分」で発生した工事費用は、その部屋の区分所有者が個人で負担します。
一方で、建物の主幹となる縦管など、居住者全員が使用する「共用部分」の工事費用は、管理組合が維持管理の責任を負い、修繕積立金から支出されます。 ただし、近年では漏水事故防止の観点から、管理組合が主体となって専有部分の配管も一斉に交換するケースも増えています。 この場合、総会の決議などを経て、修繕積立金から費用が支出されることもあります。
2. 交換費用が高額になるケース

給排水管の交換費用は、建物の構造や配管の状態で大きく変動し、想定以上に見積もりが高額になることがあります。特に注意が必要なのは、配管がコンクリートに直接埋め込まれているケースです。この場合、配管を交換するためにコンクリートを破壊し、その後復旧する作業が必要になるため、工事が大掛かりになり費用が大幅に増加します。
その他にも、費用が高額化する要因はいくつか存在します。
- 配管の腐食が著しい場合
- アスベスト含有材の処理が必要な場合
- 特殊な配管材料が使われている場合
- 作業スペースが極端に狭い場合
- 内装の復旧に高価な材料が必要な場合
これらの要因が複合的に絡み合うことで、総工費が膨らむ傾向にあります。例えば、リノベーション済みの部屋で、配管工事のために高級な内装材を一度剥がして再度復旧させる必要がある場合、「建築付帯工事費」が配管工事そのものの費用を上回ることも少なくありません。
事前の劣化診断で配管の状況を正確に把握し、複数の業者から見積もりを取ることが、予期せぬ出費を防ぐために重要です。
3. 交換時期の目安は?配管の材質別寿命と劣化サイン

マンションの給排水管の交換時期は、使用されている配管の材質によって大きく異なります。 築年数が古いマンションほど、耐用年数が短い材質が使われている可能性が高く、注意が必要です。 適切なタイミングで交換を怠ると、漏水事故や水質悪化といった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
建物の資産価値を守るためにも、材質ごとの寿命を把握し、劣化のサインを見逃さないことが管理組合や所有者の重要な責務です。
3-1. 材質別の耐用年数一覧
給排水管の耐用年数は、技術の進歩とともに新しい素材が開発され、より長寿命になっています。 以下に、現在主流のものから過去に使用されていたものまで、主な配管の材質とその耐用年数の目安をまとめました。
| 配管の種類 | 主な材質 | 耐用年数(交換目安) |
|---|---|---|
| 給水管 | 亜鉛めっき鋼管 | 15〜25年 |
| 給水管 | 硬質塩化ビニルライニング鋼管 | 25〜30年 |
| 給水管・給湯管 | 架橋ポリエチレン管・ポリブテン管 | 30〜40年 |
| 給湯管 | 銅管 | 20〜30年 |
| 排水管 | 排水用鋳鉄管 | 約40年 |
| 排水管 | 硬質ポリ塩化ビニル管 | 30〜40年 |
※出典元:八王子住宅供給公社「マンションの給排水設備改修工事」調査研究報告書
特に1980年代前半までに建てられたマンションでは、錆びやすい「亜鉛めっき鋼管」が使われていることが多く、耐用年数は15〜25年と比較的短いため、築年数によっては早急な点検や交換の検討が必要です。 ご自身のマンションの竣工年や過去の修繕履歴を確認し、どの配管が使われているかを把握しておくことが大切です。
3-2. 見逃せない劣化のサイン
配管は壁の中や床下など、目に見えない場所に設置されているため、劣化に気づきにくいのが実情です。 しかし、日常生活の中に交換時期を知らせるサインが現れることがあります。これらの兆候を見逃さず、早期に対処することが被害の拡大を防ぎます。
- 蛇口から赤茶色の水が出る
- 水の出が悪くなった
- 排水時にゴボゴボと音がする
- 排水口から悪臭がする
- 水道料金が急に増えた
これらのサインは、配管内部の錆や腐食、詰まりが進行している証拠です。 特に「赤水」は、配管内部に発生した錆が水に混じって出てくる現象で、健康への影響も懸念されます。 複数のサインが同時に現れた場合は、深刻な劣化が進行している可能性が高いため、速やかに専門家による建物診断を依頼することをお勧めします。
4. 給排水管の工事方法は2種類|更新工事と更生工事の違い

マンションの給排水管をメンテナンスする方法には、大きく分けて「更新工事」と「更生工事」の2種類があります。
更新工事は古い配管をすべて新しいものに取り替える方法で、更生工事は既存の配管を内部から補修して寿命を延ばす方法です。
どちらの工法を選ぶかによって、費用、工期、そして将来的な配管の寿命が大きく変わるため、それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。
4-1. 更新工事(交換):メリット・デメリットと費用感
更新工事は、劣化した配管を物理的に撤去し、ステンレス管や樹脂管といった耐久性の高い新しい配管に交換する工事です。 配管そのものが新品になるため、耐用年数が30年以上にリセットされ、根本的な問題解決につながるのが最大のメリットです。
一方で、壁や床を解体して配管を交換する必要があるため、工期が長くなり、工事費用も高額になる傾向があります。 また、工事中は騒音や断水が伴い、居住者の生活への影響が大きくなる点がデメリットと言えます。 費用は高くなりますが、長期的な視点で見れば最も安心できる方法です。
4-2. 更生工事(ライニング):メリット・デメリットと費用感
更生工事(ライニング工事)は、既存の配管をそのまま利用し、管の内側を高圧洗浄などで清掃した後、エポキシ樹脂などの特殊な塗料を塗りつけてコーティングし、再生させる工法です。
最大のメリットは、壁や床を壊さずに施工できるため、更新工事に比べて費用を大幅に抑えられ、工期も短い点です。 ある事例では、更新工事の見積もりが約2億6千万円だったのに対し、更生工事では約半分の費用で済むという試算も出ています。
しかし、あくまで既存の配管を延命させる措置であり、一般的な塗布ライニングの場合の耐用年数は10年程度と更新工事より短くなり、将来的に再度改修を検討しなければなりません。 また、配管の劣化が著しく、穴が開いているような場合には施工できないケースもあります。
5. 給排水管交換工事の進め方と注意点

給排水管の交換工事は、マンションの資産価値と居住者の安全を守るための重要なプロジェクトです。工事は管理組合が主体となって計画的に進められますが、専有部分の工事も伴うため、区分所有者一人ひとりの理解と協力が不可欠となります。工事の全体像を把握し、注意点を事前に知っておくことで、スムーズな進行につながります。
5-1. 工事決定から完了までの基本的な流れ
給排水管の交換工事は、専門的な調査から始まり、住民の合意形成を経て実施される長期的な取り組みです。一般的な工事の流れを理解しておくことで、今どの段階にいるのかを把握しやすくなります。
- 劣化状況の調査・診断:専門業者が内視鏡カメラなどを用いて配管の内部を調査し、劣化の度合いを正確に診断します。
- 修繕計画の立案:調査結果を基に、最適な工法(更新か更生か)、工事の範囲、スケジュール、概算費用などを盛り込んだ修繕計画案を作成します。
- 総会での決議:修繕計画案を理事会で検討した後、区分所有者全員が参加する総会に諮り、工事の実施を正式に決議します。
- 業者選定・契約:複数の業者から見積もりを取り、実績や提案内容を比較検討して施工業者を決定し、工事請負契約を締結します。
- 住民説明会の開催:工事の内容、スケジュール、断水時間、工事中の注意点などを居住者に詳しく説明し、理解と協力を求めます。
- 工事の実施:計画に沿って工事を進めます。専有部分の工事では、各住戸への立ち入りが必要になります。
- 完了検査・引き渡し:工事が完了したら、仕様書通りに施工されているか検査を行い、問題がなければ引き渡しとなります。
この一連の流れは、マンションの大規模修繕計画の一環として進められることが多く、完了までには1年以上かかることもあります。
5-2. 工事中の生活への影響と対策
給排水管の工事期間中は、日常生活にさまざまな影響が出ることが予想されます。特に専有部分の工事では、作業員が室内に入って作業を行うため、プライバシーへの配慮も必要になります。
主な影響としては、以下の点が挙げられます。
- 断水:作業中はトイレやキッチン、お風呂などが使えなくなります。断水時間は事前に告知されるため、水の汲み置きなどの対策が必要です。
- 騒音・振動:壁や床の解体・復旧作業に伴い、騒音や振動が発生します。
- 臭い:排水管の工事では、一時的に下水の臭いがすることがあります。
- プライバシー:作業員が室内へ立ち入るため、貴重品の管理やペットの安全確保などが必要です。
これらの影響を最小限に抑えるため、管理組合や施工業者は詳細なスケジュールを事前に周知します。 居住者側も、工事の騒音などへの対策を事前に確認し、不明な点があれば管理組合に問い合わせるなど、積極的に協力する姿勢が大切です。
6. 交換費用を賢く抑えるための3つのポイント

給排水管の交換は高額な費用がかかるため、できるだけコストを抑えたいと考えるのは当然です。無計画に進めると不要な出費が増える可能性がありますが、いくつかのポイントを押さえることで、賢く費用を管理できます。ここでは、交換費用を効果的に抑えるための3つの重要なポイントをご紹介します。
第一に、マンション全体の長期修繕計画を定期的に見直し、給排水管工事のための積立金を計画的に準備することが最も重要です。資金不足で着工が遅れると、配管の劣化がさらに進行し、結果的により大規模な工事が必要となり費用がかさむ可能性があります。
第二に、複数の専門業者から相見積もりを取ることです。1社だけの見積もりでは、その金額が適正かどうか判断できません。 複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼し、費用だけでなく、工事内容や実績、保証内容などを総合的に比較検討することで、信頼できてコストパフォーマンスの高い業者を選ぶことができます。
そして第三のポイントは、配管の劣化状況に応じて更生工事(ライニング)を検討することです。全てのケースで配管を新品に交換する「更新工事」が必要なわけではありません。劣化が比較的軽度な場合は、費用を大幅に抑えられる更生工事も有効な選択肢となります。 専門家による正確な診断に基づき、最適な工法を選択することが、賢い費用削減につながります。
7. マンション 給排水管 交換費用に関するFAQ

ここでは、マンションの給排水管交換費用に関して、区分所有者や管理組合の役員の方からよく寄せられる質問にお答えします。工事の実施を検討する上で重要なポイントばかりですので、ぜひ参考にしてください。
7-1. Q. 専有部分の工事を拒否できますか?
結論として、正当な理由なく専有部分への立ち入りや工事を拒否することはできません。マンションの給排水管は、専有部分と共用部分が一体となって機能しており、一戸でも工事ができないと建物全体の安全性が損なわれる恐れがあるためです。
区分所有法第6条では、建物の保存に有害な行為を禁止しており、必要な修繕工事への協力を求めています。管理規約でも、管理組合が必要な範囲で専有部分へ立ち入りできる旨が定められているのが一般的です。 過去の裁判例でも、工事の必要性が認められる場合、所有者の拒否は権利の濫用にあたると判断されています。 スムーズな工事進行のためにも、管理組合からの説明をよく聞き、協力することが求められます。
7-2. Q. 火災保険は給排水管の交換工事に使えますか?
経年劣化による計画的な交換工事には、基本的に火災保険は適用されません。火災保険は、突発的な事故による損害を補償するものです。例えば、「給排水管の老朽化が原因で漏水事故が発生し、自室や階下の部屋に損害を与えてしまった」というケースでは、保険が適用される可能性があります。
ただし、補償の対象となるのは、あくまで漏水によって被害を受けた壁紙や床、家財などの復旧費用であり、原因となった配管自体の交換費用は対象外となることがほとんどです。保険契約の内容によって補償範囲は異なるため、詳細はご加入の保険会社にご確認ください。
7-3. Q. 賃貸マンションの場合、費用は誰が負担しますか?
賃貸マンションの給排水管交換費用は、貸主であるオーナー(大家)が負担します。給排水設備は、入居者が安全で快適な生活を送るために不可欠なものであり、その維持管理は貸主の義務とされています。
入居者は、経年劣化による設備の交換費用を支払う必要はありません。ただし、入居者の過失によって配管を破損させてしまった場合などは、入居者が修繕費用を負担するケースもあります。工事に伴う断水などで生活に影響が出る場合は、事前に管理会社やオーナーから連絡がありますので、その指示に従うようにしてください。
8. まとめ:マンション給排水管の交換費用を理解し計画的な修繕を
マンションの給排水管の交換は、建物の資産価値と居住者の安全な生活を守るために避けては通れない重要な修繕工事です。費用や工事内容を正しく理解し、計画的に進めることが成功の鍵となります。
この記事の重要なポイントを以下にまとめます。
- 費用相場は専有部で20〜80万円、共用部で15〜30万円が目安
- 費用負担は専有部が個人、共用部は修繕積立金が原則
- 交換時期は配管の材質で異なり、15年〜40年以上と幅広い
- 工事には「更新工事」と「更生工事」があり、状況に応じて選択する
- 長期修繕計画に基づき、複数の業者を比較検討することが重要
給排水管の修繕は、専門的な知識が求められる複雑なプロジェクトです。修繕は単なる「コスト」ではなく、建物の寿命を延ばし、将来の安心を確保するための大切な「投資」と言えます。まずは専門家による正確な建物診断を受け、ご自身のマンションの現状を正しく把握することから始めましょう。
アステックペイントでは、遮熱塗料シェアNo.1の塗料メーカーとして、豊富な経験と専門知識を活かし、建物の診断から最適な修繕計画のご提案、施工、そしてアフターフォローまで一貫してサポートしています。給排水管に関する小さなお悩みから大規模な修繕のご相談まで、どうぞお気軽にご連絡ください。
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