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大規模修繕の談合とは?2026年40社摘発!被害に合わないために管理組合・オーナー様ができる対策
2026年6月、マンション大規模修繕工事をめぐる談合で、施工会社・設計コンサルタントあわせて約40社に排除措置命令、課徴金は総額約16億円——。マンション修繕で公正取引委員会が独占禁止法違反を認定し行政処分に踏み切るのは、これが初めてのことです。対象となった談合工事は100件以上にのぼります。 このニュースを見て、「うちのマンションは大丈夫だろうか」と検索された方も多いのではないでしょうか。 不安の正体は、おそらくこの一点に尽きます。「専門家でなければ、提示された見積もりが適正なのか判断できない」。高額な費用が動く大規模修繕では、その情報格差につけ込む談合が起こりやすく、今回の事件でも、本来は中立であるべき設計コンサルタントが業者選定を主導する「設計監理方式」が温床になったと指摘されています。 つまり、管理組合が「お任せ」にしていた部分こそ、最もリスクが潜んでいた場所だったのです。 この記事では、そもそも談合とは何かという基本から、今回摘発された事件の概要、談合が起こる構造的な理由、そして管理組合が自ら兆候を見抜き資産を守るための具体的な対策までを、順を追って解説します。最後まで読めば、談合のリスクを回避し、住民が安心して暮らせる大規模修繕を実現するための、確かな知識と行動計画が手に入るはずです。 1. そもそも「談合」とは?発注者が被る深刻な被害 大規模修繕における談合とは、複数の工事業者が事前に話し合い、受注する業者や工事価格を不正に決めてしまう行為です。本来、競争によって適正な価格と品質が保たれるべきところ、談合によってその仕組みが破壊され、発注者である管理組合や区分所有者が一方的に不利益を被ります。 これは、公正な競争を阻害するものとして独占禁止法で厳しく禁じられている、明確な違法行為です。発覚すれば、業者には課徴金納付命令や刑事罰が科される可能性があります。 1-1. 談合の定義と独占禁止法における違法性 談合は、独占禁止法が禁止する「不当な取引制限」に該当します。これは、事業者同士が連絡を取り合い、本来それぞれが自主的に決めるべき価格や受注者を共同で取り決める行為を指します。その結果、市場における価格競争が働かなくなり、発注者の利益が損なわれるため、法律で厳しく規制されているのです。 マンションの大規模修繕工事は、専門的な知識がない管理組合にとって、業者の言い値を受け入れざるを得ない状況が生まれやすく、談合の温床となりやすい特徴があります。この情報格差が悪用され、気づかぬうちに不当な契約を結ばされているケースが後を絶ちません。 1-2. 費用高騰と品質低下という2つのデメリット 談合がもたらす最も深刻な被害は、工事費用の不当な高騰です。競争がないため、業者は相場より大幅に高い価格を提示し、その差額を不正な利益とします。住民がコツコツと積み立ててきた大切な修繕積立金が、知らぬ間に無駄遣いされてしまうのです。 さらに、費用面だけでなく工事の品質低下というリスクも伴います。競争相手がいないため、業者は品質を高める努力を怠りがちになり、仕様書通りの材料を使わない、必要な工程を省くといった手抜き工事の可能性も高まります。建物の寿命を縮め、将来的にさらなる修繕費用が必要になるという悪循環に陥りかねません。 2.【2026年6月】実際に起きた大規模修繕の談合事件 「うちは大丈夫か」という不安をより具体的に理解していただくために、まず今回報道された事件の概要を整理します。これまで水面下で行われがちだったマンション修繕業界の談合は、公正取引委員会の調査によってその実態が明らかになりました。 2-1. 約40社に処分、課徴金は総額約16億円 2026年6月、公正取引委員会は、関東のマンション大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、施工会社および設計コンサルタント会社あわせて約40社に独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めたと報道されました。施工会社には、総額およそ16億円の課徴金納付命令も出される見通しです。 各社は遅くとも2021年秋以降、関東のマンション管理組合が発注した大規模修繕工事の見積もり合わせなどで事前に話し合い、受注予定業者を決めていたとされ、談合の対象となった工事は100件以上にのぼると見られています。マンションの大規模修繕工事をめぐって公取委が独占禁止法違反を認定し、行政処分に進むのは、これが初めてのことです。 2-2.「設計監理方式」の死角が突かれた 今回の事件で特に重いのは、施工会社だけでなく、本来は管理組合に助言する立場であるはずの設計コンサルタントが談合に関与していた点です。設計と施工を分離する「設計監理方式」は、本来は談合を防ぐための仕組みとされてきました。 しかし、そのコンサルタント自身が施工業者と結託してしまえば、発注者は不正を見抜くすべを失います。国土交通省の実態調査によれば、大規模修繕で設計監理方式を採用するマンションは8割を超えており、これは特定のマンションだけの問題ではなく、多くの管理組合に共通するリスクだといえます。「専門家に任せていたから安心」という思い込みこそが、最大の死角になり得るのです。 ※参考:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」/日本経済新聞(2026年6月) 3. なぜ大規模修繕で談合が起こりやすいのか? 今回のような談合が後を絶たない背景には、業界特有の構造的な問題が存在します。発注者である管理組合と、受注者である専門業者との間に横たわる大きな情報格差や、閉鎖的な業界体質が、不正の生まれやすい土壌となっています。これらの要因を理解することは、談合のリスクから身を守るための第一歩です。 3-1. 専門知識の差がうむ「情報の非対称性」 談合が起こる最大の要因は、管理組合と専門業者の間にある圧倒的な「情報の非対称性」です。工事の専門知識を持たない管理組合の役員や住民にとって、提示された工事内容や見積金額が妥当であるかを判断するのは極めて困難です。 悪意のある業者はこの知識不足につけ込み、本来は不要な工事項目を追加したり、材料費や人件費を水増ししたりして工事費を不当に吊り上げます。発注者側がその不正を見抜けないことが、談合を容易に成立させてしまうのです。 3-2. 閉鎖的な業界構造と特定業者への過度な依存 修繕工事の分野は、業者間の横のつながりが強く、閉鎖的な構造を持つ傾向があります。施工会社や設計コンサルタントが狭い業界内でネットワークを形成し、互いに仕事を紹介し合う「持ちつ持たれつ」の関係が築かれていることがあります。 また、多くのマンションでは、管理会社や付き合いのある設計コンサルタントに業者選定を任せきりにするケースが少なくありません。もしその管理会社やコンサルタントが特定の施工業者と癒着していた場合、今回の事件のように公正な競争は期待できず、談合の温床となってしまいます。実際、国土交通省は2017年の時点で、設計コンサルタントと施工会社の癒着やバックマージンによる利益相反に注意するよう警鐘を鳴らしていました。 ※参考:国土交通省「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(2017年)」 4. 談合は見抜ける?兆候のチェックと管理組合の対策 談合は水面下で行われるため、直接的な証拠を掴むことは困難です。しかし、典型的な手口を知り、業者選定のプロセスを注意深く観察すれば、その「兆候」を掴むことは不可能ではありません。そして何より、不正が入り込む隙をなくす仕組みを管理組合が主体的に整えることが重要です。 4-1. まず知っておきたい典型的な2つの手口 最も一般的な手口が「見積もり合わせ」です。これは、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」の形式を装いながら、裏では受注する業者と金額が事前に決められている「出来レース」を指します。例えばA社を落札させるという合意のもと、B社・C社はわざと高い見積書を提出します。管理組合からは3社を比較検討したように見えますが、実際には競争は一切行われていません。 より悪質なのが、サポート役であるはずの設計コンサルタントが施工業者と癒着しているケースです。コンサルタントが破格の安さで業務を受託する裏で、特定の施工業者を落札させる見返りに工事費の一部をバックマージンとして受け取ります。今回の2026年の事件も、まさにこの構図でした。 4-2. 見積書・業者の言動に現れる危険なサイン 複数の業者から提出された見積書は、談合の兆候を発見するための情報の宝庫です。総額だけでなく、詳細な内訳まで比較しましょう。次のようなサインが見られる場合は注意が必要です。 見積もり項目や数量が酷似している 各社の提出金額の差が僅か 特定の項目だけ極端に高額 不自然な端数処理の一致 共通して欠落している項目 各社が独自に現場調査・積算を行えば、数量や項目に多少の差異が出るのが自然です。複数社の見積書の項目・数量、さらには誤字脱字までが不自然に一致している場合、特定の業者が作成した見積書を他社が流用している可能性が疑われます。あわせて、業者説明会で「他社の見積もり額を聞き出そうとする」「特定の業者を執拗に推薦・批判する」「受注への熱意が感じられない」といった言動にも警戒しましょう。 4-3. 管理組合が今すぐできる4つの対策 談合の被害に遭わないためには、業者任せにせず、発注者である管理組合が主体的に対策を講じることが不可欠です。次の4つは、いずれもすぐに着手できる有効な対策です。 ① 選定プロセスの透明化:公募で広く参加企業を募り、相見積もりを徹底。議事録や選定基準を住民に公開する ② 中立な第三者の活用:コンサルタントの実績・評判を十分に調査し、複数社を比較して選ぶ。情報を一方に集中させない ③ 複数社ヒアリング:見積書だけで判断せず担当者と直接対話し、対応の温度差から「当て馬」を見極める ④ 契約書への談合防止条項:「談合違約金特約条項」を盛り込み、不正発覚時に損害賠償を請求しやすくする 特に重要なのは、管理会社やコンサルタントが推薦する業者であっても「あくまで候補の一つ」として他社と公平に比較する姿勢です。「特定の会社に任せておけば安心」という考え方そのものが、今回の事件で否定されたと受け止めるべきでしょう。談合の疑いを感じた場合は、公正取引委員会の相談窓口や、建築問題に詳しい弁護士に相談することも有効です。 ※参考:公正取引委員会 5. アステックペイントは、談合を一切行いません 私たちはメーカーとして、公正かつ透明性の高い取引を最も重視しています。複数の施工業者と結託して、適正価格ではない金額に工事費を吊り上げるようなことは絶対にしません。めざすのは、高品質な工事・サービスを「適正価格」でご提供すること。その一点にこだわっています。 5-1. 施工団体を運営するメーカーとしての立場と、私たちが守る透明性 アステックペイントは塗料の製造・販売を本業とするメーカーです。建物に最適な塗料・仕様が選ばれ、それが適切に施工されることにこそ価値を置いています。だからこそ、私たちがご紹介する施工店は、メーカーの定める施工品質基準を遵守してくれる「メーカー認定施工店」のみに限っています。塗料メーカーという特性上、収益構造も材料となる塗料から頂けておりますので、見積もりに対してマージン上乗せをすることはせず、ご紹介する認定施工店から直接お見積もりをご提出する方式を採用しています。さらに、本部として透明性を担保するためのわかりやすさにこだわった見積もり記載フォーマットを整備しており、見積もり前の現場診断に関しても、メーカーとしての専門的見解を弊社からご提供するようにしています。(常に中立な立場でメーカーが関わる体制を構築) 5-2. ご紹介後も、本部(メーカー)に直接相談できる安心体制 「紹介された施工店の見積もりに、正直少し不安がある」「でも、紹介元の手前、聞きづらい……」——そんなときもご安心ください。アステックペイントでは、ご紹介した施工店の見積もりや工事内容について、本部である私たちメーカーに直接ご質問・ご相談いただける体制を整えています。施工店任せにせず、メーカーが間に入って内容をチェックできるからこそ、発注者ご自身が納得して判断できます。問題がある会社には是正勧告・場合によっては脱退もしていただくようにしておりますので、仕組みで品質を担保する構造が形成されています。安心してご相談ください。 6. メーカーだからできる、他社見積もりセカンドオピニオンチェック 「すでに見積もりは取ったが、この金額が適正なのか分からない」——そんなときこそ、第三者であるメーカーの目を活用してください。アステックペイントは、お手元の見積もりが妥当かどうかを、専門家の視点で診断します。高いかどうかだけでなく、見積書として内訳がきちんと書かれているかなどの細かい部分を無料でチェックさせていただいております。 6-1. 塗料メーカーの専門知識で適正価格・仕様を診断 私たちは、国内の遮熱塗料においてトップクラスのシェアを誇る塗料メーカーです。建物を守る塗料のプロフェッショナルとして、その建物にどのような仕様が最適か、そしてその仕様に基づいた見積もりが適正価格であるかを診断できます。見積もりに含まれる塗料の種類・数量・単価が本当に妥当なのか、専門知識がなければ判断が難しい部分を精査します。 6-2. 全国ネットワークで地域の施工相場を正確に把握 アステックペイントは、全国に広がる施工店のネットワークを有しています。これにより、特定の地域だけでなく、日本全国の工事費用の相場データを正確に把握しています。お住まいの地域の施工単価が全国的な相場と比べて適正な水準にあるのかを客観的に分析し、万が一、談合などによって不当に吊り上げられた価格が提示された場合でも、その異常をいち早く検知することが可能です。 7. まだ他社で見積もりを取っていない方へ これから大規模修繕を検討する方にこそ、お伝えしたいことがあります。談合を防ぐ最大のポイントは、業者選定が一社や特定のコンサルタントに偏る前に、中立的な視点を取り入れておくことです。 「どんな仕様が必要なのか」「相場はどのくらいか」をあらかじめ把握しておけば、後から提示される見積もりの妥当性を、ご自身の判断軸で評価できるようになります。これは、出来レースや水増しに巻き込まれないための、最も確実な予防策です。 アステックペイントでは、建物診断にもとづいた適正な仕様の提案を無料で行っています。まだどこにも見積もりを依頼していない段階でも問題ありません。「まずは相場と最適な仕様を知っておきたい」という方こそ、ぜひメーカーの診断をご活用ください。 8. まとめ:談合を見抜き、マンションの資産価値を守ろう 大規模修繕における談合は、皆様が大切に積み立ててきた修繕積立金を不当に奪い、マンション全体の資産価値を著しく毀損する深刻な問題です。2026年6月の摘発が示したように、それは決して他人事ではありません。しかし、その手口や背景、そして対策を知ることで、被害を未然に防ぐことは十分に可能です。 この記事のポイントを改めて確認しましょう。 談合は費用高騰と品質低下を招く違法行為 2026年6月、約40社・課徴金16億円という初の行政処分が下された 情報の非対称性と閉鎖的な業界構造が温床 見積書の不自然な一致は危険なサイン プロセス透明化・第三者の活用・違約金条項が有効な対策 談合を見抜くことは、単なるコスト削減ではありません。それは、住民全員の貴重な資産を守り、未来にわたって安全で快適な住環境を維持するための、管理組合に課せられた重要な責務です。 アステックペイントでは、遮熱塗料シェアトップクラスの塗料メーカーとして、その専門知識を活かし、建物の診断から適正な仕様の提案、施工、アフターフォローまで一貫してサポートしています。すでにお持ちの見積もりのチェックも、これからの仕様・相場の確認も承ります。大規模修繕に関する小さなお悩みでも、ぜひお気軽にご相談ください。 9. 無料お見積り・お問い合わせは下記フォームから!
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アパート経営の経費で落とせるもの一覧|節税効果を高める3つのコツ
アパート経営の利益を最大化するためには、どの支出が経費として認められるのかを正しく理解することが不可欠です。しかし、「この支払いは経費になるのだろうか?」と判断に迷うオーナー様も少なくありません。 アパート経営で発生する費用のうち、事業に直接関連するものは経費として計上でき、所得税や住民税の節税につながります。 本記事では、アパート経営で経費にできるもの・できないものを一覧で分かりやすく解説し、節税効果を高めるための3つの重要なコツもご紹介します。 この記事を最後まで読めば、経費に関する疑問が解消され、自信を持って確定申告に臨めるようになるでしょう。 1. アパート経営で経費にできる費用一覧 アパート経営における経費とは、家賃収入を得るために直接必要となった費用のことです。 経費として認められる範囲は広く、税金から日々の運営費用まで多岐にわたります。これらの費用を漏れなく計上することが、手元に残る利益を大きくする第一歩です。 ここでは、経費にできる主な費用を6つのカテゴリーに分けて具体的に解説します。 1-1. 税金関連(租税公課) アパート経営に関連して納める税金の一部は、「租税公課」として経費に計上できます。 対象となるのは、あくまで事業用として支払った税金です。 具体的には、以下のような税金が経費として認められます。 固定資産税・都市計画税 不動産取得税 登録免許税 印紙税 個人事業税 これらの税金は、アパートという事業用資産を所有・取得・運営するために不可欠なコストです。 例えば、毎年課税される固定資産税や都市計画税は、経費の中でも大きな割合を占める項目の一つです。 納税通知書が届いたら、必ず保管しておきましょう。 1-2. 保険料関連 アパートを火災や地震などの災害から守るために加入する損害保険料も、全額経費として計上できます。 万が一の事態に備えるための重要なコストであり、事業運営上の必要経費と認められています。 対象となる保険の例は以下の通りです。 火災保険料 地震保険料 施設賠償責任保険料 保険契約が複数年にわたる場合、原則として支払った保険料を契約年数で割り、毎年1年分ずつを経費として計上します。 例えば、5年契約で保険料を10万円一括で支払った場合、毎年2万円ずつを5年間にわたって経費計上するのが基本です。 1-3. 管理・委託関連 アパートの管理を自分で行う場合でも、管理会社に委託する場合でも、そのためにかかった費用は経費になります。 日々の運営を円滑に行うための支出であり、事業に直結する費用だからです。 主な費用項目は以下の通りです。 管理会社への委託料 入居者募集のための広告宣伝費 不動産会社への仲介手数料 税理士や司法書士への報酬 特に、管理会社に支払う管理委託料は、家賃収入の5%程度が相場とされ、毎月発生する重要な経費です。 また、空室対策のために支払った広告費や、確定申告を依頼した税理士への報酬も、漏れなく計上しましょう。 1-4. 修繕・維持関連 建物の維持管理や入居者退去時の原状回復にかかる費用は、「修繕費」として経費計上できます。 アパートの資産価値を維持し、安定した家賃収入を得るために必要な支出です。 具体的には、以下のような費用が該当します。 退去時の原状回復費用(クロス張替えなど) 共用部の電球交換や清掃費 給湯器やエアコンなど設備の修理・交換費用 外壁塗装や屋上防水などのメンテナンス費用 アパートの修繕に関する費用は、その内容によって税務上の扱いが異なります。詳しくはアパート修繕費の経費計上|知らないと損する資本的支出との違いで解説していますが、建物の価値を高めるような大規模な改修は「資本的支出」と見なされ、一度に経費計上できない場合があるため注意が必要です。 1-5. ローン関連 アパートローンを利用して物件を購入した場合、その返済額のうち利息に相当する部分のみ経費として計上可能です。 元本の返済部分は資産の取得と見なされるため、経費にはなりません。 ローン関連で経費にできる費用は以下の通りです。 借入金の利息 ローン保証料 融資手数料 金融機関から送付される返済予定表には、毎月の返済額のうち元本と利息の内訳が記載されています。 確定申告の際には、この書類を元に1年間の利息支払額を正確に計算し、計上する必要があります。 1-6. その他運営費用 上記以外にも、アパート経営という事業を運営するために必要となった様々な費用が経費として認められます。 ポイントは「事業関連性」を客観的に説明できるかどうかです。 例えば、以下のような費用が考えられます。 交通費(物件の視察、管理会社との打ち合わせなど) 通信費(入居者や業者との連絡用) 消耗品費(文房具、プリンターのインクなど) 新聞図書費(不動産投資関連の書籍やセミナー代) これらの費用は、プライベートな支出と混同しやすいため、家事按分などの適切な処理が必要です。事業で使用した割合を明確にして、その部分だけを経費として計上しましょう。 2. 注意!アパート経営で経費にできない費用 アパート経営に関連する支出であっても、すべてが経費として認められるわけではありません。 経費にできない費用を誤って計上すると、税務調査で指摘され、修正申告や追徴課税のリスクが生じます。 ここでは、特に間違いやすい経費にできない4つの費用について解説します。 これらのルールを正しく理解し、適切な会計処理を心がけましょう。 2-1. 所得税・住民税などの個人的な税金 アパート経営で得た所得に対して課される所得税や住民税は、経費として計上することはできません。 これらの税金は、事業のコストではなく、オーナー個人が利益の中から納めるものと位置づけられているためです。 経費にできない税金の代表例は以下の通りです。 所得税 住民税 法人化している場合の法人税 固定資産税や不動産取得税が経費になるのに対し、所得税や住民税は対象外である点を明確に区別しておくことが重要です。 罰金や交通反則金なども、当然ながら経費にはなりません。 2-2. ローン元本の返済部分 アパートローンの返済額のうち、元本に充当される部分は経費にはなりません。 ローンの元本返済は、借入金という負債を減らすための支出であり、費用とは性質が異なるためです。 経費にできるのは、あくまで借入に対する手数料である「利息」部分のみです。 例えば、月々のローン返済額が10万円で、そのうち元本が7万円、利息が3万円であれば、経費として計上できるのは3万円だけとなります。金融機関が発行する返済予定表で、元本と利息の内訳を必ず確認しましょう。 2-3. 事業と無関係な個人的な支出 当然のことながら、アパート経営と直接関係のない個人的な支出は経費として認められません。 例えば、家族との食事代や趣味の物品購入費などを事業の経費に含めることはできません。 経費計上の大原則は、その支出が家賃収入を得るために直接必要であったかどうかです。 もし税務調査で事業との関連性を合理的に説明できない場合、その支出は否認される可能性があります。プライベートな支出と事業用の支出は、明確に分けて管理することが鉄則です。 2-4. 資本的支出と判断される大規模修繕費 修繕費の中でも、建物の価値を明らかに高めたり、耐用年数を延ばしたりするような支出は「資本的支出」と見なされ、その年の経費として一括計上できません。 資本的支出は、費用ではなく資産の取得として扱われ、減価償却を通じて数年間にわたって費用化されます。 資本的支出に該当する可能性が高い工事の例は以下の通りです。 建物の用途変更を伴うリノベーション 避難階段の増設など、新たな設備を追加する工事 建物の耐久性を大幅に向上させる大規模な改修 例えば、外壁の塗り替えは「修繕費」ですが、よりグレードの高い外壁材に変更する工事は「資本的支出」と判断されることがあります。 この区別は専門的な知識を要するため、迷った場合は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。 3. 経費計上の判断基準と注意点 アパート経営の経費を正しく計上するためには、個々の費用項目を知るだけでなく、その背景にある判断基準や実務上のルールを理解しておくことが重要です。特に、事業とプライベートの両方に関わる支出や、金額の大きな修繕費については、税務署から厳しく見られる可能性があります。 ここでは、経費計上の可否を判断するための重要な考え方と、日々の管理で注意すべきポイントを解説します。 3-1. 「事業関連性」が最も重要な判断軸 ある支出が経費として認められるかどうかを判断する最も重要な基準は、「アパート経営という事業に直接関連しているか」という点です。 支出の目的が家賃収入を得るため、またはその収入を維持するために必要不可欠であったことを客観的に説明できる必要があります。 例えば、物件の状況を確認するための交通費は経費になりますが、同じ日にプライベートの用事を済ませた場合、その部分の費用は経費から除外しなければなりません。常に「この支払いは事業のためか?」と自問する癖をつけることが大切です。 3-2. 家事按分の考え方と具体的な計算方法 自宅の一部を事務所として使用している場合の家賃や光熱費、プライベートと事業で兼用している自動車の維持費など、事業と個人の両方に関わる支出を「家事関連費」と呼びます。これらの費用は、事業で使用した分だけを合理的な基準で按分(あんぶん)し、経費として計上します。 例えば、スマートフォンの通信費を按分する場合、1日のうち事業で通話や通信を行った時間の割合で計算する方法が考えられます。自宅兼事務所の家賃であれば、総床面積のうち事業用に使用しているスペースの面積割合で計算するのが一般的です。客観的で合理的な基準を設定し、その計算根拠を記録しておくことが重要です。 3-3. 領収書・レシートの正しい保管方法と期間 経費を計上するためには、その支払いを証明する領収書やレシートが必須です。これらの書類は、税法によって一定期間の保管が義務付けられています。保管期間は確定申告の方法によって異なります。 青色申告の場合:原則7年間 白色申告の場合:原則5年間 この期間は、確定申告の提出期限の翌日から数えます。 例えば、2025年分の確定申告(提出期限:2026年3月15日)に関する領収書は、青色申告の場合、2033年3月15日まで保管する必要があります。税務調査は数年経ってから行われることもあるため、確実に保管しておきましょう。 ※出典元:領収書の保管期間は5~10年!知らないとまずい基礎知識(ジンジャー株式会社・2025年) 3-4. 修繕費と資本的支出の違いと見分け方 修繕に関する支出が、その年の経費になる「修繕費」か、資産として計上する「資本的支出」かの判断は、非常に重要かつ複雑です。 基本的な考え方は、「原状回復か、価値向上か」という点にあります。 国税庁は、判断に迷う場合のための形式的な基準も示しています。 例えば、一件あたりの支出額が20万円未満の場合は修繕費として扱ってよいとされています。 また、工事の内容が明らかに建物の価値を高める(例:避難階段を新たに取り付ける)場合は資本的支出、単なる補修(例:壊れたガラスを交換する)であれば修繕費となります。 この判断は節税額に大きく影響するため、専門知識を持つ第三者の専門家に相談するのが賢明です。 ※出典元:第8節 資本的支出と修繕費(国税庁) 4. 節税効果を最大化する経費計上の3つのコツ アパート経営において経費を漏れなく計上することは、節税の基本です。しかし、さらに節税効果を高めるためには、いくつかの制度や仕組みを戦略的に活用することが重要になります。ここでは、特に効果の大きい3つのコツを紹介します。 これらのポイントを実践することで、手元に残るキャッシュフローを大きく改善できる可能性があります。 4-1. 青色申告の活用で最大65万円の特別控除を受ける 不動産所得の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、節税を考えるなら青色申告が断然有利です。青色申告を選択すると、様々な税制上の特典を受けられますが、最大のメリットは「青色申告特別控除」です。 一定の要件を満たすことで、所得金額から最大65万円を控除できます。 例えば、課税所得が500万円の場合、65万円を控除できれば所得税・住民税を合わせて約20万円の節税につながります。65万円控除を受ける主な要件は、複式簿記での記帳と、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存です。 ※出典元:No.2072 青色申告特別控除(国税庁・2025年) 4-2. 減価償却の仕組みを理解し、適切に計上する 減価償却費は、アパート経営における最も大きな経費の一つです。 減価償却とは、建物や設備などの高額な資産の取得費用を、法定耐用年数にわたって分割して経費として計上する会計処理のことを指します。 実際にお金が出ていくわけではないのに経費として計上できるため、節税効果が非常に高い「帳簿上の経費」と言えます。 例えば、木造アパートの法定耐用年数は22年です。 建物価格が4,400万円であれば、毎年200万円を減価償却費として計上できます。この仕組みを正しく理解し、毎年忘れずに計上することが、賢い節税の鍵となります。減価償却の詳しい計算方法については、【図解付き】アパートリフォームの減価償却の記事で詳しく解説しています。 4-3. 漏れなく計上するための経費管理術 どんなに小さな支出でも、事業に関連するものであれば経費として計上すべきです。しかし、日々の細かな支払いは見落としがちになります。経費の計上漏れを防ぐためには、日頃からの管理が重要です。 具体的な方法として、以下のような工夫が考えられます。 事業専用のクレジットカードや銀行口座を用意する 会計ソフトやアプリを活用してレシートを撮影・記録する 月ごとに領収書を整理し、Excelなどで一覧表を作成する 特に、事業専用のクレジットカードを利用すると、利用明細がそのまま経費の記録となり、管理が非常に楽になります。こうした仕組みを導入することで、確定申告の時期に慌てることなく、漏れのない経費計上が可能になります。 5. まとめ:アパート経営の経費を正しく理解して賢く節税しよう アパート経営における利益を最大化するためには、経費の知識が不可欠です。何が経費になり、何がならないのかを正確に把握することが、賢い節税への第一歩となります。 この記事で解説した重要なポイントを以下にまとめます。 事業関連性が経費判断の最も重要な基準 ローン返済は利息部分のみが経費対象 所得税や住民税は経費にできない 青色申告と減価償却の活用が節税の鍵 領収書は青色申告で7年間保管が必要 経費の管理や修繕計画は、専門的な知識が求められる場面も少なくありません。特に、大規模修繕の費用が修繕費になるか資本的支出になるかの判断は、その後のキャッシュフローに大きな影響を与えます。 アステックペイントでは、遮熱塗料シェアNo.1の塗料メーカーとして、建物の診断から適切な修繕計画のご提案、施工、アフターフォローまで一貫してサポートしています。経費に関するご相談はもちろん、建物の維持管理に関する小さなお悩みでも、ぜひお気軽にご相談ください。 無料お見積り・お問い合わせは下記フォームから!
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【ステップ解説】アパート長期修繕計画の作り方|失敗しない5つの手順
アパート経営を始めたものの、将来発生する修繕費用に漠然とした不安を抱えていませんか。 多くのオーナーが事前の計画不足により、ある日突然、数百万単位の突発的な出費に直面し、キャッシュフローの悪化に悩まされています。 本記事では、アパート経営初心者の方でも失敗しない「長期修繕計画」の作り方を、具体的な5つのステップで徹底的に解説します。 読み終える頃には、将来の不安を解消し、アパートの資産価値を長期的に維持・向上させるための具体的な道筋が明確になっているはずです。 アパート経営になぜ長期修繕計画が必要なのか? アパート経営における長期修繕計画は、建物の資産価値を守り、安定した収益を確保するための羅針盤です。計画がないまま経営を続けると、突発的な高額出費によりキャッシュフローが悪化したり、建物の劣化が原因で入居率が低下したりと、深刻な事態を招きかねません。国土交通省の調査では、実際に計画を作成している賃貸住宅のオーナーは2割程度にとどまるというデータもあり、早期に着手することが競争力に繋がります。 ※出典元:賃貸住宅の計画修繕等に関する意識・実施状況について(国土交通省・2017年) 長期修繕計画を立てる目的は、大きく分けて「資産価値の維持」と「キャッシュフローの健全化」の2点に集約されます。 資産価値の維持・向上と入居率の安定化 定期的な修繕は、アパートの資産価値を維持し、入居者に選ばれ続けるために不可欠です。外壁の色褪せや共用部の汚れが放置されたアパートは、周辺の新築物件と比較された際に見劣りし、入居希望者から敬遠されてしまいます。結果として、空室率の上昇や家賃の値下げにつながり、収益性を悪化させる原因となります。 適切なタイミングで外壁塗装や設備の更新を行うことで、建物の美観と機能性を保ち、長期的に安定した入居率を確保できます。これは、アパート経営を「事業」として捉えた場合、将来の収益性を守るための重要な投資と言えるでしょう。 突発的な出費を防ぎキャッシュフローを健全化 アパート経営で最も避けたいリスクの一つが、予期せぬ大規模修繕による突発的な出費です。例えば、雨漏りが始まってからの屋根の全面改修や、給排水管の破裂による緊急工事は、数百万円単位の費用が発生することも少なくありません。 このような事態は、手元の資金を圧迫し、経営計画全体を狂わせる可能性があります。 長期修繕計画を立て、将来必要となる工事費用をあらかじめ把握しておくことで、計画的に修繕積立金を用意できます。これにより、突発的な出費に慌てることなく、健全なキャッシュフローを維持しながら安定したアパート経営を続けることが可能になります。 長期修繕計画に盛り込むべき主要な修繕項目と時期の目安 長期修繕計画を立てる上で、どの部分を、いつ、どのくらいの費用で修繕するのかを把握することが最初のステップです。建物の各部位には、その素材や使用環境に応じた耐用年数があり、それを目安に修繕周期を設定します。ここでは、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」などを参考に、一般的なアパートで必要となる主要な修繕項目と時期の目安を解説します。 ※出典元:長期修繕計画作成ガイドライン(国土交通省・2021年改訂) 【10〜15年周期】屋根・外壁・防水工事 建物を風雨や紫外線から守る外装部分は、アパートの寿命に直結する最も重要な箇所です。特に10年~15年の周期で大規模な修繕が必要になることが多く、計画の中でも大きな費用を占める項目です。 外壁塗装:美観の維持だけでなく、外壁材を保護し、雨水の浸入を防ぐ役割があります。一般的な2階建てアパート(延床面積30坪前後)の場合、費用は100万円~150万円が目安です。 屋根塗装・防水工事:屋根は建物で最も劣化しやすい部分です。雨漏りを防ぐため、定期的な塗装や防水層の改修が欠かせません。費用は建物の規模や屋根材によりますが、90万円~180万円程度が相場となります。 シーリング工事:外壁材の継ぎ目や窓サッシ周りを埋めるシーリング材は、経年で硬化しひび割れるため、定期的な打ち替えが必要です。 鉄部塗装:共用階段や手すりなどの鉄部は、錆が発生しやすいため、5年~7年程度の周期で塗り替えが推奨されます。 【15〜20年周期】共用部・内装・建具 築15年を過ぎると、入居者が日常的に使用する共用部や建具にも劣化が目立ち始めます。これらの修繕は、入居者の満足度や安全性に直接関わるため、計画的に実施することが重要です。 共用廊下・階段の床材:長尺シートの張り替えなどを行い、歩行時の安全性と美観を保ちます。 ドア・サッシの交換:玄関ドアや窓サッシの建付けが悪くなったり、隙間風が入るようになったりした場合に交換を検討します。 内装(空室時):壁紙やフローリングの張り替えは通常、入居者の入れ替え時に行いますが、築年数が経過した物件では、より魅力的な内装へのリフォームも計画に含めると競争力維持につながります。 【20〜30年周期】給排水設備・電気設備 目に見えない部分ですが、生活の根幹を支える設備関連は、一度トラブルが発生すると入居者の生活に大きな影響を与えます。20年~30年を目安に、大規模な更新工事が必要になる可能性があります。 給排水管の更新:配管の材質にもよりますが、経年劣化による錆や詰まり、漏水のリスクが高まります。専有部分の配管交換は1戸あたり20万円~100万円、建物全体の更新となるとさらに高額になります。 給湯器の交換:耐用年数は10年~15年が目安ですが、全戸一斉に交換することでコストを抑えられる場合があります。 電気幹線設備の更新:現代のライフスタイルに合わせた電気容量の増設や、設備の更新を検討します。 これらの修繕周期はあくまで目安であり、建物の構造、立地環境、使用されている建材によって変動します。そのため、専門家による定期的な建物診断が不可欠です。 【5ステップで解説】アパート長期修繕計画の具体的な作り方 長期修繕計画の作成は、専門的な知識が必要に思えるかもしれませんが、基本的なステップに沿って進めることで、オーナー自身でも骨子を作ることが可能です。ここでは、誰でも実践できる具体的な5つのステップを解説します。 ステップ1:建物の現状把握と劣化診断 計画の第一歩は、建物の現状を正確に把握することから始まります。新築時の設計図書や仕様書、過去の修繕履歴などを準備し、建物の基本情報を整理します。その上で、専門家(建築士や施工会社など)による建物劣化診断を受けることを強く推奨します。 専門家は、屋根や外壁、基礎といった普段見えない部分の劣化状況を専門的な知見で評価し、どの箇所にどのような修繕がいつ頃必要になるかを客観的に判断してくれます。この診断結果が、精度の高い修繕計画を立てるための基礎となります。 ステップ2:修繕項目のリストアップと優先順位付け ステップ1の診断結果に基づき、今後必要となる修繕項目をすべてリストアップします。例えば、「外壁のひび割れ補修」「屋上防水の全面改修」「共用廊下の照明器具交換」といった具体的な工事内容を書き出します。 次に、リストアップした各項目について、「緊急性」と「重要性」の2つの軸で優先順位を付けます。雨漏りの原因となっている箇所の修繕は緊急性が高く、建物の構造に関わる部分の補修は重要性が高い、というように整理することで、計画的に修繕を進めることができます。 ステップ3:修繕周期と工事費用の概算 各修繕項目について、一般的な耐用年数や劣化状況を考慮して、今後何年後に工事を実施するか(修繕周期)を設定します。例えば、「外壁塗装は12年後」「給湯器交換は10年後」のように計画に落とし込んでいきます。 同時に、それぞれの工事にかかる費用を概算します。施工会社から概算見積もりを取得したり、類似物件の工事事例を参考にしたりして、現実的な費用を算出します。この際、将来の物価上昇なども考慮し、少し余裕を持った金額を設定しておくことがポイントです。一般的な2階建てアパートの外壁・屋根塗装工事では、合計で200万円~300万円程度かかるケースが多く見られます。 ステップ4:長期的な資金計画(キャッシュフロー)の策定 ステップ3で算出した将来の修繕費用を賄うため、具体的な資金計画を立てます。計画期間全体(例:30年間)で必要となる修繕費用の総額を算出し、それを月単位や年単位で積み立てていく場合の金額を計算します。 一般的に、修繕積立金は家賃収入の5%~10%程度が目安とされています。 この積立額が、現在の家賃収入や経費と照らし合わせて無理のない範囲であるかを確認し、キャッシュフロー計画を策定します。資金が不足しそうな場合は、積立額の見直しや、融資の利用なども視野に入れて検討します。 ステップ5:計画書への落とし込みと定期的な見直し 最後に、これまでのステップで検討した内容を「長期修繕計画書」として文書にまとめます。計画書には、建物の概要、修繕項目リスト、修繕周期と概算費用をまとめた修繕計画表、そして資金計画などを盛り込みます。 長期修繕計画は一度作成したら終わりではありません。建物の劣化状況や社会情勢、技術の進歩など、状況は常に変化します。そのため、5年ごとなど定期的に計画内容を見直し、必要に応じて修正していくことが、計画を形骸化させないために非常に重要です。 長期修繕計画の作成にかかる費用相場と依頼先の選び方 長期修繕計画の作成を専門家に依頼する場合、その費用やどこに頼むべきかはオーナーにとって重要な問題です。費用をかけてでも精度の高い計画を立てることが、結果的に将来のコスト削減に繋がります。ここでは、作成費用の内訳と最新の相場、そして依頼先の選び方について解説します。 作成費用の内訳と2026年最新の相場 長期修繕計画の作成費用は、主に「建物診断費用」と「計画作成(コンサルティング)費用」の2つで構成されます。建物の規模や構造、調査の精度によって費用は変動します。 一般的な木造や軽量鉄骨の2階建てアパートの場合、建物診断と計画作成を合わせた費用相場は、おおよそ10万円~50万円程度です。 既存の図面がない場合や、より詳細な調査が必要な場合は費用が高くなる傾向にあります。机上での簡易的な計画であれば安価に抑えられますが、精度の高い計画を立てるためには、専門家による現地調査を含む建物診断が不可欠です。 依頼先の種類と選定ポイント(管理会社・設計事務所など) 長期修繕計画の作成を依頼できる専門家には、いくつかの選択肢があります。それぞれに特徴があるため、自身の状況に合わせて選ぶことが重要です。 依頼先の種類メリットデメリット管理会社・日頃から建物の状況を把握している・窓口が一つで手間が少ない・費用が割高になる傾向がある・工事受注を前提とした計画になる可能性がある設計事務所・建築士・第三者の立場で中立的な計画を期待できる・建物の専門知識が豊富・コンサルティング費用が別途必要・施工会社を自分で探す必要がある場合も建設会社・リフォーム会社・工事費用に基づいた現実的な計画が立てやすい・診断から施工まで一貫して依頼できる・自社工事への誘導を前提とした計画になる可能性がある 依頼先を選ぶ際の重要なポイントは、複数の業者から提案や見積もりを取ることです。 1社だけの意見に偏らず、複数の専門家の視点から比較検討することで、より客観的で信頼性の高い計画を作成できます。また、過去の実績、特に同規模のアパートでの計画作成実績が豊富かどうかも確認しましょう。 修繕積立金の賢い貯め方と資金計画のポイント 長期修繕計画を絵に描いた餅で終わらせないためには、計画に基づいた着実な資金の積み立てが不可欠です。将来の大規模修繕に備え、いかにして効率的かつ計画的に資金を準備するか、その具体的な方法と注意点を解説します。 まず基本となるのが、毎月の家賃収入から一定額を修繕費用として積み立てることです。一般的には、家賃収入の5%から10%を修繕積立金に充てることが一つの目安とされています。 例えば、月々の家賃収入が50万円であれば、2.5万円から5万円を修繕専用の口座に分けて管理する習慣をつけることが重要です。 資金計画を立てる上でのポイントは、インフレーション(物価上昇)のリスクを考慮に入れることです。10年後、20年後には、現在の見積もりよりも工事費用が高騰している可能性があります。そのため、積立額は定期的に見直し、必要であれば増額することも視野に入れましょう。 また、火災保険を上手に活用することも資金計画の一助となります。自然災害による建物の損害は、火災保険の補償対象となる場合があります。保険申請を適切に行うことで、予期せぬ修繕費用をカバーできる可能性があるため、加入している保険の内容を改めて確認しておくことをお勧めします。 長期修繕計画作成で失敗しないための3つの注意点 長期修繕計画は、一度作れば安心というわけではありません。計画の精度が低かったり、運用方法を間違えたりすると、かえって経営リスクを高めることにもなりかねません。ここでは、多くのオーナーが陥りがちな失敗を避け、実効性のある計画にするための3つの注意点を解説します。 第一に、修繕費用を楽観的に見積もりすぎないことです。コストを抑えたいあまり、工事費用をぎりぎりで設定してしまうと、いざ工事を行う段階で資材価格の高騰や想定外の劣化が見つかり、予算オーバーに陥る可能性があります。必ず予備費を設けるなど、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。 第二に、計画を作成しただけで放置しないこと。最も多い失敗例が、計画書を作成したことに満足してしまい、その後の見直しや実行を怠ることです。 建物は日々劣化し、経済状況も変化します。最低でも5年に一度は計画を見直し、現状に合わせてアップデートしていく意識が不可欠です。 第三に、専門家の意見を軽視しないことです。オーナー自身の判断だけで計画を進めると、重要な劣化のサインを見逃したり、不適切な修繕方法を選んでしまったりするリスクがあります。費用はかかりますが、定期的に第三者の専門家による建物診断を受け、客観的なアドバイスを取り入れることが、結果的に建物の寿命を延ばし、トータルコストを抑えることに繋がります。 長期修繕計画の作成に役立つツールとテンプレート 長期修繕計画をゼロから作成するのは大変な作業ですが、公的機関が提供するツールやテンプレートを活用することで、作業を効率化し、必要な項目を漏れなく盛り込むことができます。特に、アパート経営が初めての方にとっては、これらのツールは計画作成の心強い味方となるでしょう。 最も信頼性が高く、広く活用されているのが、国土交通省が提供している「長期修繕計画作成ガイドライン」および「長期修繕計画標準様式」です。 これらは、マンションを主な対象としていますが、アパートの計画作成においても非常に参考になります。ガイドラインには計画の基本的な考え方が、標準様式には計画書に必要な項目がExcel形式などでまとめられており、無料でダウンロードして使用することができます。 ※出典元:長期修繕計画作成ガイドライン等について(国土交通省) これらのテンプレートを活用することで、修繕項目、修繕周期、概算費用などを一覧表にまとめ、長期的なキャッシュフローを視覚的に把握しやすくなります。まずはこうした公的なツールをベースに自物件の情報を入力し、計画のたたき台を作成することから始めてみるのがお勧めです。 まとめ:【総括】失敗しないアパート長期修繕計画の作り方 本記事では、アパート経営の成功に不可欠な長期修繕計画の作り方について、その必要性から具体的な作成ステップ、注意点までを解説しました。計画的な修繕は、将来の安定した収益を守るための重要な経営戦略です。 長期修繕計画は資産価値の維持とキャッシュフローの健全化に不可欠 修繕項目と周期の目安を把握し、30年程度の長期視点で計画する 現状把握から資金計画まで、5つのステップで具体的に作成を進める 費用を楽観視せず、専門家の知見を活用し、定期的に計画を見直す 修繕は単なる「コスト」ではなく、アパートという資産への「投資」です。そして、その投資効果を最大化するためには、まず建物の現状を専門家の目で正しく把握することが第一歩となります。 賃貸経営のコントロール性を高める「すまーと建診サポート」 アステックペイントはこの課題を解決するために、「すまーと建診サポート」という外装特化型の建物管理サービスを提供しています。 【すまーと建診サポートのサービス内容】・毎年のメーカー基準による定期点検・メーカーが専門的見解を加えた診断報告書・30年先を見据えた長期修繕計画の策定と定期見直し・国土交通省採択アプリ「いえかるて」による修繕履歴の一元管理 これらを1棟あたり月額2,000円台〜でご提供しています。 工事をして終わりではなく、定期点検と修繕計画で賃貸経営のコントロール性を高める。これがメーカーだからこそ実現できる、修繕との新しい付き合い方です。 ▶ すまーと建診サポートの詳細はこちらhttps://astec-apartment.com/smart-kenshin アステックペイントは、遮熱塗料メーカーとしてシェアNo.1の実績を持ち、全国の優良塗装店ネットワークを通じて、アパート・マンションの無料建物診断から施工、アフターフォローまで一貫してサポートしています。外壁のひび割れや屋根の劣化など、小さなお悩みでも、ぜひお気軽にご相談ください。
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※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より
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