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原状回復費の勘定科目|仕訳・資本的支出の判断基準
オフィスの移転や店舗の退去時に発生する原状回復費。その会計処理、特に勘定科目の選択に迷った経験はありませんか。 原状回復費の会計処理は、借主か貸主か、またどのような工事を行うかによって使用する勘定科目が異なります。 本記事では、原状回復費の基本的な考え方から、借主・貸主それぞれの立場に応じたケース別の仕訳方法、税務上の注意点までを、具体例を交えて網羅的に解説します。読み終える頃には、複雑な会計処理を正確に行うための知識が身につき、適切な経費計上や税務対応ができるようになるはずです。 1. 原状回復費の勘定科目の基本 原状回復費の会計処理を正しく行うには、まず基本的な定義と、関連する勘定科目を理解しておくことが不可欠です。ここでは、原状回復費の対象範囲や法的背景、主に使用される勘定科目の概要を解説します。 1-1. 原状回復費とは?対象となる工事の範囲と法的背景 原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居者の故意や過失によって生じた損傷を元の状態に戻すことを指します。 2020年4月施行の改正民法により、経年劣化や通常の使用による損耗(通常損耗)は、原状回復義務に含まれないことが明確化されました。 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。 つまり借主が負担すべきなのは、通常の使用を超える範囲の損傷の修繕費用です。 例えば、貸主が自己負担で20万円の修繕工事を行った場合の仕訳は以下の通りです。 借方貸方修繕費 200,000円普通預金 200,000円 この処理は、アパート修繕費の経費計上においても重要なポイントとなります。 1-2. 敷金から費用を差し引く場合:「預り金」と「雑収入」での仕訳 貸主にとって、入居時に預かった敷金は「預り金」という負債勘定で処理されています。退去時に原状回復費用を敷金から差し引く場合、その金額を「雑収入」などの収益勘定に振り替えます。 例えば、預かっていた敷金50万円のうち20万円を原状回復費用に充当し、残りの30万円を借主に返還した場合の仕訳は以下のようになります。 借方貸方預り金 500,000円普通預金 300,000円雑収入 200,000円 負債である預り金を取り崩し、一部を収益として認識する点がポイントです。 1-3. 入居者から受け取った原状回復費用と消費税の扱い 原状回復費用は、貸主が借主に代わって行う「役務の提供」の対価とみなされるため、消費税の課税対象となります。これは、敷金・保証金から相殺する場合でも、別途現金で受け取る場合でも同様です。 ここで注意が必要なのは、居住用物件であっても事業用物件であっても、原状回復費用の消費税の取扱いは原則として同じ「課税」であるという点です。居住用の家賃(賃料)は消費税非課税ですが、原状回復費用は「住宅の貸付けの対価」ではなく「役務の提供の対価」として性格が異なるため、家賃の非課税ルールは適用されません。 国税庁の質疑応答事例では、居住用マンションを題材にした場合でも「原状回復工事を行うことは賃貸人の賃借人に対する役務の提供に該当し、課税の対象となる」と明確に示されています。 ※出典:国税庁|建物賃貸借に係る保証金から差し引く原状回復工事費用 2. 修繕費か資本的支出か?判断基準をフローチャートで解説 原状回復工事の費用を「修繕費」として一括で経費計上できるか、「資本的支出」として資産計上し減価償却すべきか。この判断は税務上とても重要です。国税庁が示す基準をもとに、判断方法をわかりやすく解説します。 2-1. 国税庁が示す「修繕費」の定義と具体例 国税庁は、修繕費を「固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額」と定義しています。 つまり、壊れたり劣化したりした資産を元の状態に戻すための費用が修繕費にあたります。具体例は以下の通りです。 壁紙の張り替え 壊れた窓ガラスの交換 通常の塗装工事 設備の定期的なメンテナンス これらは資産の価値を維持するための支出であり、支出した事業年度に全額を損金算入できます。 ※出典元:No.5402 修繕費とならないものの判定(国税庁) 2-2. 「資本的支出」と判断される工事内容(価値向上・耐久性延長) 一方、資本的支出は「固定資産の使用可能期間を延長させ、または価値を増加させるもの」と定義されます。 単なる原状回復を超えて、資産を改良し、より良くするための支出です。具体例は以下の通りです。 建物の避難階段の取り付け 用途変更のための大規模な改装 通常より高品質・高性能な部品への交換 省エネ性能を高めるための設備導入 これらは将来にわたって収益に貢献すると考えられるため、一旦資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却していきます。こうした判断は、アパート経営とマンション経営の違いを考えるうえでも、修繕計画に大きく影響します。 2-3. 20万円未満または3年周期の支出を修繕費として処理する特例 修繕費か資本的支出かの判断が難しい場合でも、形式的な基準で修繕費として処理できる特例があります。国税庁は、以下のいずれかに該当する場合、修繕費としての損金算入を認めています。 支出額が20万円未満の場合 おおむね3年以内の周期で行われる修繕 工事1回あたりの金額が20万円未満なら、実質的に資本的支出であっても修繕費として処理できます。過去の実績などから3年以内のサイクルで定期的に行われることが明らかな修繕も同様です。この基準を知っておくと、経理処理の簡素化につながります。 2-4. 判断に迷った際の形式的な基準と実質的な基準 上記特例に当てはまらず、なお判断が明らかでない場合には、別の形式基準が設けられています。支出額が60万円未満、またはその固定資産の前期末取得価額のおおむね10%相当額以下であれば、修繕費として処理できます。 判断フローは、まず金額(20万円未満)や周期(3年以内)といった形式基準で判定し、当てはまらなければ工事の目的(原状回復か価値向上か)という実質基準で判断、それでも不明なら60万円または取得価額の10%という基準を適用する、という流れです。整理すると以下のようになります。 判定の順番基準該当すれば① 形式基準(金額・周期)支出20万円未満、またはおおむね3年以内の周期修繕費② 実質基準(目的)原状回復が目的か、価値向上が目的か原状回復=修繕費/価値向上=資本的支出③ 形式基準(金額・割合)支出60万円未満、または前期末取得価額の約10%以下修繕費 3. 原状回復費で注意すべき特殊なケースの会計処理 一般的な処理に加えて、特定の状況ではより専門的な会計処理が求められます。特に上場企業などに適用される「資産除去債務」や、固定資産の除却に伴う処理は、正確な理解が必要です。 3-1. 上場企業等に適用される「資産除去債務」とは 資産除去債務とは、有形固定資産の除去に関して、法令や契約で要求される法律上の義務およびそれに準ずるものを指します。 具体的には、将来その資産を除去(解体・撤去など)する際に発生する費用を、あらかじめ負債として計上する会計処理です。 賃貸借契約で退去時の原状回復義務が定められている場合、これが資産除去債務に該当することがあります。将来の原状回復費用を合理的に見積もり、その現在価値を資産計上時に負債として認識し、対応する金額を固定資産の取得原価に含めて計上します。 3-2. 資産除去債務の計上と仕訳方法の具体例 資産除去債務の会計処理は複数年にわたります。まず資産の取得時に、将来の除去費用を見積もり、現在価値に割り引いた金額を「資産除去債務」(負債)として計上。同時に、同額を関連する有形固定資産の帳簿価額に加算します。 例えば、除去費用の見積額が100万円(5年後、割引率2%)の場合、現在価値は約90.6万円です。この際の仕訳は以下の通りです。 借方貸方建物附属設備 906,000円資産除去債務 906,000円 その後は決算ごとに、時の経過による調整額(利息費用)を計上して資産除去債務の残高を増やしていきます。また、資産に計上した除去費用は、減価償却を通じて耐用年数にわたって費用配分されます。 3-3. 固定資産の除却に伴う「固定資産除却損」の計上 原状回復工事に伴い、既存の設備などを撤去・廃棄することがあります。このとき、まだ帳簿価額(取得価額から減価償却累計額を差し引いた残額)が残っている固定資産を除却する場合、その帳簿価額を「固定資産除却損」として損失計上します。 例えば、帳簿価額が30万円残っている設備を撤去した場合の仕訳は以下のようになります。 借方貸方固定資産除却損 300,000円建物附属設備 1,000,000円減価償却累計額 700,000円 資産が事業の用に供されなくなった時点で、その価値を費用または損失として認識するための重要な処理です。 https://astec-apartment.com/blog/apartment-depreciation/ 4. 原状回復費の会計処理でよくある間違いと対策 原状回復費の会計処理は、借主・貸主の双方にとって間違いやすいポイントがあります。ここでは実務で起こりがちなミスとその対策を解説します。 4-1. 敷金の返還義務と会計処理のタイミングのズレ 貸主側でよくある間違いが、敷金の会計処理のタイミングです。敷金はあくまで「預り金」であり、退去が完了し原状回復費用が確定して初めて、その一部を収益(雑収入など)として計上できます。費用が未確定の段階で収益計上すると、期間損益計算を誤ります。 対策として、退去の事実と原状回復費用の確定という2つの条件が揃った時点で仕訳を行うことを徹底しましょう。退去から費用確定までに時間がかかり期末をまたぐ場合は、適切な経過勘定を用いる対応も必要です。 4-2. 見積書や請求書の項目と勘定科目の不一致 工事業者から受け取る見積書や請求書には、複数の工事項目が含まれていることがよくあります。これらを精査せず合計額をすべて「修繕費」として処理するのは間違いです。中には資産価値を高める「資本的支出」に該当する項目が含まれている可能性があります。 対策として、請求書の内訳を詳細に確認し、各工事の内容を実質的に判断することが重要です。例えば「壁紙の張り替え」は修繕費ですが、「間取り変更工事」は資本的支出に該当する可能性が高いでしょう。項目ごとに適切な勘定科目へ振り分けることで、税務上のリスクを回避できます。 4-3. 消費税の課税・不課税の判断ミスと対処法 原状回復費にかかる消費税の扱いは複雑で、間違いやすいポイントです。前述の通り、事業用物件の原状回復費は課税対象、居住用物件は原則非課税です。 この区別を誤ると、消費税の納税額に影響が出ます。また、敷金から差し引かれる原状回復費用も課税対象となる点を忘れてはいけません。 対策としては、賃貸借契約書で物件の用途(事業用か居住用か)を必ず確認すること、そして敷金相殺分も含めて課税売上または課税仕入として正しく処理することです。判断に迷う場合は、税理士などの専門家に確認するのが最も確実です。 5. 原状回復費を正しく処理するための税務上のポイント 原状回復費の会計処理は、法人税や所得税の納税額に直接影響する重要な業務です。適切に処理すれば節税効果が期待できる一方、誤った処理は税務調査で指摘されるリスクを高めます。ここでは税務上のポイントを解説します。 5-1. 経費計上による節税効果と最適な計上時期 原状回復費を「修繕費」として経費計上できれば、その全額を支出した事業年度の損金に算入できます。これにより課税所得が圧縮され、法人税などの節税につながります。特に利益が多く出ている年度に修繕を行うと、効果は大きくなります。 最適な計上時期は、原則として工事が完了し支払義務が確定した時点です。決算期末に近いタイミングで工事を行う場合は、期内に費用計上できるよう、業者とのスケジュール調整や書類準備を早めに進めましょう。計画的な修繕は、建物の維持だけでなく税務戦略としても有効です。これは、アパート経営における修繕計画を立てるうえでも欠かせない視点です。 5-2. 税務調査で指摘されやすいポイントと準備すべき書類 税務調査では、原状回復費は特にチェックされやすい項目です。最も指摘されやすいのは、「修繕費」と「資本的支出」の区分が適切かどうかという点です。実質的には資産価値を高める工事なのに修繕費として一括損金処理していないかが、厳しく見られます。 税務調査に備えるため、以下の書類を整理・保存しておくことが不可欠です。 賃貸借契約書 工事の見積書・請求書(内訳が詳細なもの) 工事の前後がわかる写真 工事内容に関する業者とのやり取りの記録 これらの客観的な証拠書類によって、支出が原状回復目的の修繕費であることを明確に説明できるようにしておくことが、最大のリスク対策です。 5-3. 専門家(税理士)に相談すべきケースとは 会計や税務のルールは複雑で、判断に迷う場面も少なくありません。特に以下のケースでは、自己判断で進める前に、税理士などの専門家に相談することを強く推奨します。 工事費用が高額で、税額への影響が大きい場合 修繕費か資本的支出かの判断が非常に難しい工事の場合 資産除去債務の計上が必要になる可能性がある場合 過去に税務調査で指摘を受けた経験がある場合 専門家のアドバイスを受けることで、誤った処理による追徴課税や延滞税のリスクを未然に防ぎ、安心して事業を運営できます。事前の相談は、結果的にコストを抑えることにもつながります。 6. まとめ:原状回復費の勘定科目を正しく理解し、適切な会計処理を 本記事では、原状回復費の会計処理を、借主・貸主それぞれの立場からケース別に解説しました。最後に、重要なポイントを改めて確認しましょう。 原状回復費は工事内容により「修繕費」「資本的支出」「特別損失」を使い分ける 借主は敷金との相殺、貸主は預り金からの充当など、立場により処理が異なる 修繕費か資本的支出かの判断は、国税庁の基準に従い慎重に行う 消費税の課税区分など、関連する税務ルールも必ず確認する 税務調査に備え、契約書・請求書・工事写真などの証拠書類を保管しておく 原状回復や建物の修繕は、会計処理だけでなく、建物の資産価値を維持するための重要な「投資」です。どのような工事が必要か、費用はどのくらいかかるのか、まずは専門家に相談し、建物の現状を正しく把握することから始めましょう。 アステックペイントでは、遮熱塗料シェアNo.1の塗料メーカーとして、専門家による建物診断から最適な修繕計画のご提案、施工、アフターフォローまで一貫してサポートしています。原状回復や建物修繕に関する小さなお悩みでも、ぜひお気軽にご相談ください。 7. 無料お見積り・お問い合わせは下記フォームから! https://survey.zohopublic.jp/zs/Z80p61
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マンション玄関ドアの交換|費用相場や手続き・工法を徹底解説
マンションやアパートの経営・管理において、建物の「顔」とも言える玄関ドアの劣化は、物件の印象だけでなく安全性や資産価値にも直結する大きな課題です。 「古びたドアを最新の断熱ドアに変えたいけれど、勝手に工事して良いのか?」「管理組合への申請はどうすれば?」「費用はどれくらいかかるのか?」 といった疑問をお持ちのオーナー様や理事様のために、本記事ではマンションの玄関ドア交換に関する情報を網羅的に解説します。 まず、検討を始める前に押さえておきたい5つのポイントを先出しします。 ① 交換できるのか 専有部分(室内側)は可能ですが、枠や外側は「共用部分」にあたるため、個人が勝手に交換することは原則できません。 ② 管理組合の許可 管理規約に基づき、理事会や管理組合の承認、および所定の手続きが必須です。 ③ いつ交換すべきか 一般的には10年~20年が目安。錆、歪み、鍵の不具合、隙間風などが交換のサインです。 ④ 工事方法・所要時間 壁を壊さない「カバー工法」なら、2時間~半日程度(目安。状況により前後します)で完了します。 ⑤ 費用の考え方 機種や工法、戸数により大きく変動します。正確な金額を知るには、物件情報を精査した専門家による個別見積もりが不可欠です。 それでは、詳細なガイドラインを見ていきましょう。 1. マンションの玄関ドア交換の可否と必要性 マンションの玄関ドアは、居住者にとっては毎日触れる身近な設備ですが、法律や規約上は複雑な立ち位置にあります。まずは交換の基本ルールと、なぜ更新が必要なのかを整理します。 1-1. マンションの玄関ドア交換が可能かどうか 結論から言えば、マンションの玄関ドア交換は可能です。ただし、戸建て住宅のように「好きな時に好きなデザインへ」というわけにはいきません。 ① 建物の規約を確認する 玄関ドアの「外側」はマンション全体の景観を構成する共用部分とみなされます。一方、「内側」の塗装は専有部分です。多くの場合、ドア全体の交換は管理組合の計画的な修繕、あるいは承認を得た個人負担の工事として行われます。まずは管理規約を熟読しましょう。 ② ドアの種類を調べる マンションには防火基準などの厳しい制約があります。地震の際の避難を妨げないための変形防止機能や、耐火性能を満たす特定の種類である必要があります。 ③ 専門業者に相談する 「このドアなら規約に抵触しないか」「施工上の制限はないか」といった判断は非常に難しいため、マンション施工の実績が豊富な業者へ相談することが、トラブル回避の最短ルートです。 1-2. マンションの玄関ドア交換の必要性 なぜ、多額の費用をかけてまでマンションのドアを交換すべきなのでしょうか。 第一の理由は防犯性の向上です。古いドアはピッキングに弱いシリンダーや、物理的な破壊に耐えられない構造であるケースがあります。最新のドアへ更新することで、ダブルロックやディンプルキーへの対応が可能になり、入居者の安心感を飛躍的に高められます。 第二に断熱性能の改善です。古い鋼製ドアは「熱の出入り口」になりやすく、冬は寒く夏は暑い原因となります。断熱材入りのドアに変えることで、光熱費の削減と快適な室内環境を実現できます。 第三に美観の向上です。大規模修繕に合わせて電話1本で発注できるような塗装の塗り替えも一般的ですが、傷みや歪みが激しい場合は交換が最善です。外観が新しくなることで、物件全体の格調が上がり、賃貸物件であれば集客力アップにも直結します。 1-3. 管理組合の許可と手続き 分譲マンションの場合、玄関ドア交換は「共用部分の変更」にあたります。 管理組合に相談する:理事会に諮り、承認を得る必要があります。全戸一斉の改修工事として進めるのか、承認を得て個人で進めるのか、方針を確認しましょう。 必要書類を準備する:施工計画書、図面、製品仕様書、近隣への工事車両の駐車案内など、提出すべき書類は多岐にわたります。 手続きの流れを把握する:申請から承認、工事着工までに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。制度やルールの枠組みを理解し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。 2. 玄関ドアの交換時期と判断基準 ドアが完全に閉まらなくなってからでは遅すぎます。適切なリフォーム時期を見極めるためのサインを覚えましょう。 2-1. 玄関ドアの交換時期の目安 一般的に玄関ドアの耐用年数は、34年〜38年程度とされています(出典:国土交通省「長期修繕計画標準様式」を参照)。ただし、沿岸部や西日の強い場所など、設置環境により劣化は早まります。 外観の劣化:塗装の剥がれ、白サビ、赤サビが発生している。これらは劣化の初期段階ですが、放置すると穴が開くなどの致命的な損傷につながります。 鍵の不具合:鍵が回りにくい、差し込みにくい。これは内部の摩耗だけでなく、ドア自体の歪みが原因で既存の受座とズレが生じている可能性もあります。 防犯性能の低下:新しい犯罪手口に対応できない古い錠前を使用している場合、物理的な破損がなくても「防犯上の寿命」と判断すべきです。 https://astec-apartment.com/blog/apartment-security-2/ 2-2. 交換時期の判断基準 具体的な数値や状態で、交換の要否をジャッジします。 使用年数をチェック:10年を超えたら点検、20年を超えたら本格的な交換検討に入りましょう。 機能性の確認:「ドアクローザーから油が漏れている」「ドアを閉める時にガタガタと異音がする」「隙間風が入る」といった問題は、調整だけで解決する場合と、本体の寿命であるケースがあります。 安全性の評価:地震時にドアが変形し、閉じ込められるリスクはないか。条件が厳しい場所(強風地域など)では、強度の高いドアへのアップグレードが安全面の基準となります。 専門業者に相談し、現在のドアの健康状態を客観的に評価してもらうことが、無駄な出費を抑え、必要な投資を行うためのポイントです。 3. 玄関ドア交換のメリット ドアの交換は単なる「修繕」に留まらず、住まいの質を劇的に変える「投資」としての側面を持っています。 3-1. 気密性・断熱性の向上 古いマンションの玄関ドアは、薄い鋼板一枚でできていることが多く、冬場はドア自体が冷え切ってしまう「ヒートブリッジ(熱橋)」現象が起きます。 新しいドアは隙間が少ない:ゴムパッキン(エアタイト材)の進化により、気密性が格段に向上しています。これにより、外の騒音や砂埃の侵入も防げます。 断熱材の進化:ドアの内部に断熱材が充填された製品を選ぶことで、室内の温度を一定に保ち快適な環境を作ります。 エネルギーコストの削減:夏は冷気を逃さず、冬は暖気を保つため、エアコンの効率が上がり、長期的な光熱費の削減に寄与します。 3-2. 防犯性能の強化 空き巣の侵入経路として、玄関ドアは常に狙われる場所です。最新のドアは、防犯対策が幾重にも施されています。 最新の鍵技術:1本の鍵で2箇所ロックする「鎌付デッドボルト」や、ピッキングがほぼ不可能なディンプルキーが一般的です。 耐久性のある素材:ドア本体の強度が上がり、バールなどによるこじ開けに対しても高い抵抗力を発揮します。 侵入リスクの軽減:警備会社と提携したスマートロックや、侵入を検知するアラーム機能など、最新デバイスとの親和性も高く、居住者に絶大な安心を提供します。 3-3. 操作性の改善と補助金の活用 毎日使うものだからこそ、「使い勝手」の改善は満足度に直結します。 スムーズな開閉:最新の丁番やドアクローザーは、軽い力で開けられ、閉まる時はゆっくりと静かに閉まる機能が備わっています。 補助金制度の利用:省エネリフォームの一環として、窓工事との同時施工が条件となりますが、国の補助金が利用できる場合があります(先進的窓リノベ事業などの断熱改修に関連する制度)。これにより、施工費用の負担を抑えることが可能です。 サポート:専門業者が補助金の申請を代行してくれるケースもありますので、気軽に相談してみましょう。 https://astec-apartment.com/blog/post-888/ 4. 玄関ドア交換工事の方法と費用 マンションの玄関ドア交換において、最も気になるのが「どのような工事が行われ、いくらかかるのか」という点です。工法によって費用も施工時間も大きく変わるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。 4-1. 交換方法の種類 マンションのドア交換には、主に以下の3つの工法があります。物件の劣化状況や予算に合わせて最適な方法を選択しましょう。 ① カバー工法 既存のドア枠の上から新しい枠を被せる、壁を壊さない工法です。現在のマンションリフォームで最も一般的な手法で騒音や、粉塵を最小限に抑えられます。 メリット:工期が短く、費用も抑えやすい。 デメリット:新しい枠を被せる分、有効開口(ドアの幅)が数センチ狭くなる。 ② はつり工法 既存のドア枠を壁から取り外すため、壁を壊して周囲の防水・左官・塗装をやり直す本格的な工法です。ドア枠自体の歪みが激しい場合や、開口幅を狭めたくない場合に選ばれます。 メリット:段差を解消しやすく、見た目も新築同様に美しく仕上がる。 デメリット:工期が長く(3日〜1週間程度)、費用も高額になる。 ③ ドア本体交換 枠はそのままに、扉(本体)のみを交換する方法です。ただし、古い枠と新しい扉の適合性を確保するのが難しく、気密性や断熱性を完全に解決できないケースが多いです。 4-2. 玄関ドア交換工事の費用相場 玄関ドア交換の費用は、機種のグレードや工法、施工する地域によって異なります。以下に一般的な相場を示します。 工法費用相場(1戸あたり)特徴カバー工法30万円〜50万円スピーディーで主流な方法はつり工法50万円〜100万円大がかりな工事が必要な場合 多くの場合、全戸一括で改修を行うことで、スケールメリットにより1戸あたりの単価を抑えることが可能です。 4-3. 工事期間と費用負担の軽減方法 工事にかかる期間は、カバー工法であれば1戸あたり半日〜1日程度が目安です。ただし、建物の状況により前後します。 費用負担を軽減するための提案としては、以下のポイントが挙げられます。 補助金の活用:「先進的窓リノベ事業」などの断熱改修を対象とした補助金や、各自治体の防犯対策助成金が利用できる場合があります。 管理組合の修繕積立金の活用:分譲マンションの場合、計画的な改修であれば積立金から算出されるため、個人の一時的な持ち出しを抑えられます。 相見積もりの実施:複数の業者から提案を受けることで、適正価格での発注が可能になり、コストを抑えやすくなります。 5. マンションの玄関ドアの種類と選び方 玄関ドアは、材質やデザイン、機能性の組み合わせで無数のバリエーションが存在します。資産価値を守るための選び方を解説します。 5-1. 玄関ドアのバリエーションと商品ラインナップ マンション用ドアの製品選びでは、全体の調和と高い機能性の両立が求められます。 材質:鋼製(スチール)が一般的ですが、錆に強いアルミ製や、重厚感のあるステンレス製などもあります。 デザイン:木目調からモダンなメタリックまで幅広く、マンションの外装デザインに合わせた選定が重要です。 セキュリティ:非接触ICカードやスマートフォンで開閉できる「電子錠」を搭載した製品が、近年のトレンドです。 5-2. 高性能ドアの選択肢 資産価値を維持するために、以下のスペックを確認しましょう。 断熱性能:ドア内部の断熱材と、枠部分の遮熱構造をチェックします。これにより、快適な室内環境を保てます。 防音効果:廊下の話し声や騒音を遮断する性能です。都市部の物件では特に重視されるポイントです。 耐久性:20年以上使い続けることを想定し、耐食性の高い表面仕上げを選びましょう。 5-3. マンション玄関ドアリフォーム 信頼できる大手メーカーの製品を検討するのも良いでしょう。既存の枠を活かしたリフォームに特化する製品もあり、工事の施工性が高いことが特徴です。 こうした外部の情報(メーカーサイトのトップページやカタログなど)も参考に、信頼できる施工業者を選定することが、最終的な満足度を左右します。 6. 玄関ドアリフォームのデザイン性と機能性 ドアは単なる建具ではなく、住まいの印象を決定づける要素です。 6-1. デザイン性の重要性 玄関ドアは、入居者や来客が最初に目にする場所です。そのデザインは物件の「顔」としての印象を左右し、集客力や資産価値に大きな影響を与えます。周囲の環境と調和しつつ、古さを感じさせないカラーや質感を選ぶことが、交換の大きなメリットとなります。 6-2. 機能性の向上とトレンド 最近のトレンドは「省エネ」と「防犯」です。 性能:高い断熱性能により、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たすような商品も増えています。 技術:指紋認証や顔認証など、最新の情報技術を取り入れたスマートロックの性能向上は目覚ましく、安心して暮らせる環境づくりに不可欠な要素となっています。 7. 玄関ドア交換に関するよくある質問 オーナー様や理事様から寄せられる、具体的な疑問に答えます。 7-1. 修繕費やドアクローザーの交換費用について 費用に関するよくある質問です。 Q:ドアクローザーだけの交換は可能ですか? A:可能です。調整や交換だけであれば2万円〜5万円程度が相場です。ただし、ドア本体の歪みが原因の場合は、本体ごとの交換が必要です。 Q:共用部分なのに、なぜ個人負担になる場合があるのですか? A:管理規約により、「通常の使用に伴う修繕は個人負担」と定められているケースがあるためです。 7-2. 交換の注意点 トラブルを防ぐためのポイントをまとめます。 管理規約の厳守:勝手な施工は、将来の売却時などに不利益を被る場合があります。 業者の信頼性:マンションの共用部分工事に慣れた業者を選びましょう。 保証内容の確認:工事後の保証期間や、定期点検の有無を確認しておくと安心です。 8. 玄関ドア交換を長く活かすための実践ポイント 8-1. 交換後のアフターケアとメンテナンスのポイント 玄関ドアを新しくした後は、その美しさと性能を長持ちさせることが重要です。半年に1回程度の丁番への注油や、パッキンの清掃、劣化のセルフチェックなど、日常的なケア方法を住民へ案内することで、将来的な故障を未然に防ぐことができます。 8-2. 耐火・耐震性能に優れた最新玄関ドア技術の選び方 災害への備えは、今や物件選びの必須条件です。地震時の変形に強い「耐震枠」や、火災の延焼を防ぐ「遮炎性能」を備えた最新の製品を選ぶことは、住人の命を守るサポートにつながります。これらの性能を備えることで、保険料の割引などのメリットが得られるケースもあります。 8-3. マンション全体のリニューアル計画との連携と交換タイミングのコツ ドア交換は、外壁塗装や防水工事を含む「大規模修繕」とタイミングを合わせるのが最も効率的です。足場の有無や工事期間の共有、管理組合との協議を一括で行うことで、予算の最適化とスケジュールの円滑な調整が実現します。 9. まとめ:資産価値を最大化する玄関ドア交換 マンションの玄関ドア交換は、単なる設備の更新ではなく、物件の安全性、快適性、そして資産価値を高める重要なリフォームです。 今回の解説のまとめ: 交換の可否:管理規約を必ず確認し、管理組合の許可を得ることがポイントです。 交換時期:15年~20年が目安。劣化や不具合を見逃さないことが大切です。 工事方法:現在は壁を壊さないカバー工法が主流。施工時間は目安半日程度です。 費用相場:30万円~50万円程度が相場ですが、条件により変動するため見積もりが必須です。 ドアの交換費用は、建物の構造や戸数、ご希望の性能によって大きく異なります。まずは専門家による現状の精査と、物件に合わせた適正な見積もりを取得することから始めましょう。 「まだ使えるか、それとも変え時か」の最終的な判断は、専門の技術者による診断が最も確実です。10年以上が経過している場合は、将来の計画を立てるために、まずは現状の劣化診断を依頼することをお勧めします。 アステックペイントは、建物の美観と耐久性を守るパートナーとして、皆様のマンションリフォームを応援しています。気軽な相談から、次の一歩を踏み出してみませんか。
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アパート経営とマンション経営の違いは?構造・収益性・修繕費を比較
これから賃貸経営を始める方は、アパート経営とマンション経営、どちらが自身の投資戦略に適しているか、判断に迷っていませんか。 両者は似ているようで、建物の構造から初期投資、将来の収益性、そして維持管理の費用まで、経営上の特性は大きく異なります。 この記事では、アパートとマンションの根本的な違いを多角的に比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。 読み終える頃には、ご自身の目標に合った物件選びの判断基準が明確になり、堅実な賃貸経営への第一歩を踏み出せるはずです。 そもそもアパートとマンションの違いとは?定義と構造を解説 アパートとマンション、どちらも共同住宅を指す言葉ですが、その違いを明確に説明するのは難しいかもしれません。実は法律上の厳密な定義はなく、主に建物の「構造」によって不動産業界の慣習として区別されています。 法的な定義はなく一般的なイメージで区別される 建築基準法などの法律において、アパートとマンションを区別する明確な定義は存在しません。 どちらも「共同住宅」という大きな枠組みに含まれます。 一般的には、不動産会社や物件のオーナーが、建物の構造や階数に応じて慣習的に使い分けているのが実情です。 そのため、ある不動産サイトでは「マンション」として紹介されている物件が、別のサイトでは「アパート」と表記されているケースも見られます。 物件名だけで判断するのではなく、後述する「構造」をしっかりと確認することが、物件の性質を理解する上で非常に重要になります。 物件の価値を左右する構造(木造・鉄骨造・RC造)の違い 物件の価値や経営の特性を決定づける最も重要な要素が「構造」です。主に以下の種類に分けられ、それぞれにメリット・デメリットが存在します。 構造の種類主な特徴法定耐用年数(住宅用)木造(W造)建築コストが比較的安く、設計の自由度が高い。通気性に優れる。22年鉄骨造(S造)骨格材の厚みで軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分かれる。木造より強度が高い。19年~34年鉄筋コンクリート造(RC造)鉄筋とコンクリートを組み合わせ、耐久性・耐火性・遮音性に優れる。47年鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)RC造の中心に鉄骨を入れた構造。さらに強度が高く、主に高層マンションで採用。47年 ※出典元:主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁) 一般的に、木造や軽量鉄骨造の低層の建物を「アパート」、重量鉄骨造やRC造、SRC造の中高層の建物を「マンション」と呼ぶ傾向があります。 この構造の違いが、次のセクションで解説する初期投資や減価償却、家賃設定に大きく影響してきます。 アパートとマンション 経営上の根本的な違いを比較 アパートとマンションの経営における違いは、建物の構造から派生する「初期投資」と「減価償却」、そして「入居者ターゲット」の2つの側面に集約されます。これらの要素は、投資戦略を立てる上で根幹となる部分です。 構造から見る初期投資と減価償却の違い 物件の取得にかかる初期投資は、主に構造によって大きく左右されます。一般的に、木造や軽量鉄骨造のアパートは、RC造などのマンションに比べて建築コストを抑えられる傾向にあります。これにより、少ない自己資金で事業を開始できる可能性が広がります。 一方で、税務上の重要な概念である「減価償却」にも大きな違いが生まれます。 減価償却とは、建物の取得費用を法定耐用年数に応じて分割し、毎年経費として計上する会計処理のことです。 構造ごとの法定耐用年数は国税庁によって定められており、木造は22年、RC造は47年となっています。 法定耐用年数が短いアパートは、毎年の減価償却費を大きく計上できるため、帳簿上の所得を圧縮し、所得税や住民税の節税効果を高めやすいという特徴があります。 ただし、減価償却の仕組みや節税効果については、専門的な知識も必要となるため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。 入居者ターゲットと家賃設定の違い 建物の構造や設備は、入居者ターゲットと家賃設定に直結します。アパートは、建築コストが比較的低いことから、家賃を抑めに設定できる場合が多く、学生や単身者、若手のカップルなどが主なターゲット層となります。 対照的に、マンションはRC造などで遮音性や耐火性、セキュリティ設備が充実していることが多く、ファミリー層やより快適な住環境を求める層に選ばれる傾向があります。 そのため、アパートに比べて高めの家賃設定が可能となり、安定した収益を見込みやすいのが特徴です。どちらのターゲット層を狙うかによって、選ぶべき物件の種類は大きく変わってきます。 外装が収益性を左右する!アパート・マンションの資産価値比較 賃貸経営において、建物の外装は単なる「見た目」以上の重要な役割を担います。入居希望者の第一印象を決定づけ、入居率や家賃設定に直接影響を与えるだけでなく、長期的な資産価値そのものを左右するからです。 外壁材とデザインが入居率・家賃を決める 物件を探している人が最初に目にするのは、建物の外観です。清潔感があり、デザイン性の高い外観は「管理が行き届いている」という好印象を与え、内見につながる確率を高めます。 外壁材には、コストパフォーマンスに優れた窯業系サイディング、重厚感のあるタイル、デザインの自由度が高いモルタルなど様々な種類があります。 https://astec-apartment.com/blog/blog008/ それぞれの外壁材には特徴があり、例えばアパートの外壁の種類とメンテナンス方法を理解し、物件のターゲット層に合ったデザインや色を選ぶことが空室対策の鍵となります。魅力的な外観は、周辺の競合物件との差別化を図り、適正な家賃を維持するための強力な武器になるのです。 外装の耐久性が将来の資産価値(出口戦略)を左右する 外装の役割は、入居率の維持だけではありません。建物を雨風や紫外線から守り、構造体の劣化を防ぐという重要な機能も担っています。 耐久性の高い外壁材を選び、適切な時期にメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、将来的な資産価値を維持できます。 賃貸経営の出口戦略として物件の売却を考えた際、外装の状態は査定価格に大きく影響します。 外壁にひび割れや塗装の剥がれなどがあると、買い手は「購入後に高額な修繕費がかかるのでは」と懸念し、価格交渉の材料になったり、最悪の場合は購入を見送られたりする可能性があります。 長期的な視点で外壁塗装を資産価値を守る投資と捉え、計画的にメンテナンスを行うことが、堅実な経営につながります。 修繕・メンテナンス費用の違いを長期視点で比較 アパートやマンション経営において、長期的な収支計画を立てる上で避けて通れないのが修繕・メンテナンス費用です。特に、建物の構造によって大規模修繕の周期やコストが大きく異なるため、その違いを理解しておくことが重要です。 構造別に見る大規模修繕の周期と費用 大規模修繕とは、外壁塗装や屋上防水、共用部の補修など、建物の資産価値を維持するために定期的かつ計画的に行われる大規模な工事のことです。 この周期は法律で定められているわけではありませんが、国土交通省のガイドラインでは、おおむね12年から15年周期での実施が目安とされています。 一般的に、木造や軽量鉄骨造のアパートは、RC造のマンションに比べて部材の耐用年数が短い傾向にあり、修繕の頻度が高くなる可能性があります。一方で、一回あたりの工事費用は、建物の規模が小さいことが多いため、マンションよりは抑えられる傾向にあります。しかし、アパート経営における修繕の種類と費用相場を把握し、計画的に資金を準備することが不可欠です。 日常的な管理・メンテナンスのポイント 大規模修繕だけでなく、日常的な管理・メンテナンスも建物の寿命と資産価値を維持するためには欠かせません。共用廊下の清掃、照明器具の交換、植栽の手入れ、小規模な補修など、日々の細やかな対応が求められます。 これらの日常管理を怠ると、建物の美観が損なわれ、入居者の満足度低下や空室率の上昇につながりかねません。また、小さな不具合を放置した結果、大規模な修繕が必要になることもあります。適切な管理会社を選び、定期的な巡回や点検を依頼することで、長期的に見て修繕コストを抑制し、安定した賃貸経営を実現できます。 中古物件購入時の注意点!失敗しないためのチェックポイント 中古のアパートやマンションは、新築に比べて利回りが高いなどの魅力がありますが、購入前に建物の状態を慎重に見極めなければ、思わぬ出費に見舞われるリスクも潜んでいます。特に外装のチェックは、将来の修繕コストを予測する上で極めて重要です。 【失敗例】購入後すぐに高額な修繕費が発生するケース 中古物件でよくある失敗が、購入直後に雨漏りや設備の故障が発覚し、想定外の修繕費用が発生するケースです。特に、見た目は綺麗にリフォームされていても、外壁内部の劣化や屋上の防水層の破断など、見えない部分で問題が進行していることがあります。 内装の綺麗さだけに目を奪われ、外壁のひび割れやシーリングの劣化といったサインを見逃してしまうと、後で数百万円単位の補修費用が必要になることも少なくありません。こうした失敗を避けるためには、購入前の専門家による建物診断(インスペクション)が非常に有効です。 購入前に確認すべき外装のチェックポイント 専門家でなくても、ある程度の外装チェックは可能です。内覧時には、以下のポイントを意識的に確認しましょう。 ひび割れ(クラック) 塗装の剥がれや浮き チョーキング現象 シーリングの劣化 錆やカビ・藻の発生 これらの劣化サインは、建物の防水機能が低下している証拠です。 例えば、外壁を手で触って白い粉が付く「チョーキング現象」は、塗膜が劣化しているサインです。 また、サイディングの継ぎ目を埋めるシーリング材にひび割れや肉痩せが見られる場合、そこから雨水が侵入するリスクが高まっています。 修繕履歴の確認とその重要性 過去にどのような修繕が、いつ行われたかを示す「修繕履歴」は、物件の健康状態を知るためのカルテのようなものです。特に、直近の大規模修繕がいつ実施されたか、その際の工事内容や保証期間などを確認することは必須です。 修繕履歴や長期修繕計画がきちんと保管・運用されている物件は、管理状態が良好である可能性が高いと言えます。 もし修繕履歴がない、あるいは内容が不十分な場合は、隠れた瑕疵(かし)が存在するリスクを考慮し、より慎重な判断が求められます。 あなたの投資戦略に合うのはどっち?物件の選び方 アパート経営とマンション経営、それぞれに異なる魅力と注意点があります。最終的にどちらを選ぶべきかは、ご自身の投資目的や資金計画、リスク許容度によって決まります。「キャッシュフローを重視するのか」、それとも「長期的な資産価値を重視するのか」という視点で考えてみましょう。 【キャッシュフロー重視型】アパート経営の魅力と注意点 毎月の手残りを最大化したいキャッシュフロー重視の方には、アパート経営が適している場合があります。 アパートはマンションに比べて初期投資を抑えられることが多く、高い利回りを期待できるのが大きな魅力です。法定耐用年数が短いため、減価償却費を大きく計上しやすく、節税効果も狙えます。 ただし、注意点も存在します。木造や軽量鉄骨造が多いため、遮音性が低く、入居者間の騒音トラブルが発生しやすい側面があります。また、入居者の入れ替わりが比較的早く、家賃下落のリスクもマンションより高い傾向にあるため、安定した収益を維持するにはきめ細やかな管理と空室対策が不可欠です。 【資産価値重視型】マンション経営の魅力と注意点 長期的に安定した資産を築きたいと考える資産価値重視の方には、マンション経営が向いています。 RC造やSRC造のマンションは法定耐用年数が47年と長く、建物自体の耐久性も高いため、資産価値が落ちにくいのが特徴です。 防音性や耐火性、セキュリティ面に優れているため、質の高い入居者を確保しやすく、安定した家賃収入が期待できます。 一方で、アパートに比べて初期投資額が大きくなるため、自己資金がより多く必要になります。利回りもアパートよりは低くなる傾向があるため、短期的な収益よりも、長期保有による安定収入と将来の売却益(キャピタルゲイン)を視野に入れた投資戦略が求められます。 アパート・マンションの維持管理・メンテナンスQ&A 賃貸経営を成功させるためには、建物の維持管理と計画的なメンテナンスが不可欠です。ここでは、オーナー様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。 Q. 外壁塗装や防水工事の適切なタイミングは? A. 一般的に、外壁塗装や屋上防水工事の目安は10年~15年周期と言われています。 ただし、これはあくまで目安であり、建物の立地環境(日当たり、交通量など)や使用されている塗料・防水材の種類によって劣化の進行度は異なります。ひび割れやチョーキング、塗膜の膨れといった劣化サインが見られたら、年数にかかわらず専門家による診断を受けることをお勧めします。 Q. 法定耐用年数と実際の建物の寿命は違うの? A. はい、異なります。法定耐用年数は、税法上で定められた減価償却を計算するための期間であり、建物の物理的な寿命を示すものではありません。 例えば木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、適切なメンテナンスを施せば、それ以上に長く使用することは十分に可能です。逆に、メンテナンスを怠れば法定耐用年数を待たずに大規模な補修が必要になることもあります。 Q. 修繕費用を計画的に準備・抑制する方法は? A. 最も重要なのは、長期修繕計画を策定し、それに基づいて修繕積立金を計画的に準備しておくことです。 専門家による建物診断を定期的に行い、計画の精度を高めることも有効です。また、工事を発注する際は複数の業者から相見積もりを取り、内容と金額を比較検討することで、コストの適正化が図れます。自治体によっては補助金制度が利用できる場合もあるため、情報収集も重要です。 Q. アパートとマンションで、特に注意すべきメンテナンス箇所は? A. 構造による違いがあります。木造アパートでは、湿気による木部の腐食やシロアリ被害に注意が必要です。鉄骨造のアパートでは、鉄骨の錆対策が重要になります。一方、RC造のマンションでは、コンクリートのひび割れや中性化、外壁タイルの浮き・剥離などが特有のチェックポイントです。どちらの建物でも、屋上やバルコニーの防水層の劣化は雨漏りに直結するため、特に注意深く点検する必要があります。 失敗しないために専門家による建物診断を活用しよう 賃貸経営、特に中古物件の購入や長期的な維持管理において、自己判断だけで全てを把握するには限界があります。目に見えない劣化や将来のリスクを正確に把握し、適切な対策を講じるためには、建築の専門家による客観的な「建物診断(インスペクション)」の活用が極めて重要です。 修繕履歴がない・不十分な物件に潜むリスク 中古物件の購入を検討する際、修繕履歴が提示されない、あるいは内容が非常に乏しいケースがあります。このような物件は、過去のメンテナンス状況が不明であり、見えない部分で重大な劣化が進行しているリスクを抱えています。適切な修繕が行われてこなかった可能性も高く、購入後に高額な修繕費用が突然発生する危険性が高まります。 専門家による建物診断では、外壁や屋根、構造体などを詳細に調査し、修繕履歴だけではわからない建物の”健康状態”を明らかにします。これにより、購入判断の前にリスクを洗い出し、安心して投資を進めることができます。 正確な長期修繕計画で将来の支出を把握 賃貸経営の成否は、いかに将来の支出を正確に予測し、計画的に資金を準備できるかにかかっています。建物診断の結果に基づいて作成された長期修繕計画は、「いつ」「どこに」「いくら」の修繕費用が必要になるかを具体的に示してくれます。 この計画があることで、行き当たりばったりの修繕対応を防ぎ、キャッシュフローを安定させることが可能です。 また、金融機関から融資を受ける際にも、信頼性の高い事業計画の根拠として有利に働くことがあります。 まずは無料診断で建物の健康状態をチェック 「専門家に頼むと費用がかかりそう」と躊躇される方もいるかもしれません。しかし、将来発生しうる高額な修繕費を考えれば、事前の建物診断は非常に有効な投資です。まずは専門家による無料の建物診断サービスなどを活用し、ご自身の物件の現在の状態を客観的に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。 アステックペイントの無料診断 塗料メーカーである我々アステックペイントは塗料を開発・製造を作りながら、同時に劣化のメカニズムを研究しています。結論、外装の劣化メカニズムを施工店よりも、管理会社よりも熟知しています。 「なぜひび割れが起きるのか」「この立地環境ではどの材料が何年持つのか」「コンクリートの中性化はどの段階まで進んでいるのか」——こうした問いに対して、研究機関を持ち、全国の施工データを蓄積してきたメーカーだからこそ出せる答えがあります。 診断は無料ですので、物件を取得されて履歴が残っていない場合は、最初に診断をご依頼いただくことをお勧めいたします。 https://astec-apartment.com/blog/post-pillar/ プロの目で建物の健康状態をチェックしてもらうことで、今後のメンテナンス計画の第一歩を踏み出すことができます。問題が大きくなる前に対策を打つことが、結果的に総コストを抑え、安定した賃貸経営につながります。 まとめ:アパートとマンションの違いを理解し堅実な賃貸経営を アパートとマンション経営の違いについて、構造や収益性、修繕費など多角的な視点から解説しました。ご自身の投資戦略を成功に導くためには、これらの違いを正しく理解し、物件を選ぶことが不可欠です。 本記事の要点を以下にまとめます。 法的な定義はなく構造で区別 初期投資と節税効果に違い 外装が資産価値を大きく左右 長期修繕計画が経営の鍵 専門家診断でリスクを回避 賃貸経営は、物件を購入して終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。建物の資産価値を長期的に維持し、安定した収益を確保するためには、計画的な修繕・メンテナンスが欠かせません。 終わりに アステックペイントは、遮熱塗料シェアNo.1の塗料メーカーとして、全国のパートナー施工店と共に多くのアパート・マンションの修繕を手がけてまいりました。専門家の目で建物の状態を正確に診断し、最適な修繕プランをご提案します。建物の維持管理に関する小さなお悩みでも、どうぞお気軽にご相談ください。診断は無料。強引な営業は一切いたしません。 報告書を受け取ってから、ゆっくりご判断いただければ十分です。 ▶ 無料の建物診断は下記フォームからお申し込みください。 お電話でのご相談はこちら:0120-997-979(平日9:00〜18:00)「Webサイトを見た」とお伝えください!
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はい、弊社を含め複数業者からの見積もりを比較いただいて構いません。しつこい営業は一切致しませんので、安心してお問い合わせください。
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全国対応が可能です※。
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建築塗料メーカーである株式会社アステックペイントが運営・サービス提供しております。
6年連続で遮熱塗料のシェアNo.1※を獲得し、高品質な製品とサービスを提供してまいりました。また全国3,700社以上の優良塗装店とお付き合いがあり、これまでの建物累計施工棟数は30万棟以上の実績がございます。
外装用材料や建物施工に対して深い理解と専門知識を持ったプロの視点だからこそ、お客様のご状況や条件に合い、ご満足いただける塗装業者様をご紹介できると考えています。
※ペイント&コーティングジャーナル 第3555号「屋根用・遮熱塗料特集」より
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