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マンションのベランダ工事を徹底解説|必要な準備と注意点

  • 2026年02月03日
  • 2026年02月03日
マンションのベランダ工事を徹底解説|必要な準備と注意点

マンションの魅力や利便性を持続させるためには大規模修繕が必須です。ただ、外装の部分に限って言えば、工事は屋根防水や外壁ばかりに目が行ってしまうと思います。しかし、マンションの外壁部分の大規模修繕はそれだけではありません。

各戸のベランダも修繕の範囲に入ります。では、マンションのベランダ工事はどのように行うべきでしょうか。そこで、ここでは大規模修繕でのベランダ部分について取り上げて解説します。

1. マンションのベランダにおける大規模修繕の重要性

まずはマンションのベランダにおける大規模修繕の重要性について復習してみましょう。意外に重要であることが見えて来るはずです。

1-1. マンションのベランダ修繕の必要性

マンション外壁は日射や風雨にさらされる部分です。劣化を避けることはできません。また、ベランダは人が歩く部分です。

外壁や屋根には加わらない衝撃や摩擦も加わり、ダメージを受けます。そのため、ベランダも修繕が必要です。仮に、修繕をしないで放置をすれば、ベランダの防水が破壊されてしまい、雨漏りのような事態にも繋がります。

場合によっては入居者に多大な迷惑をかけることになるかも知れません。ちなみに、入居者が高級家具を置いていて、それを雨漏りで汚した場合には、下手をすれば責任を問われる可能性すらあります。意外と危険です。

1-2. ベランダの状態がマンション全体に与える影響

マンションの資産価値の決定要因の1つに外観がありますが、これはベランダを含んでのこと。ベランダの状態が悪ければ資産価値にまで影響します。実際、見た目が悪くて悪い印象しか持ちえないベランダのマンションに魅力があるでしょうか。

…お世辞にも良いとは言えないでしょう。マンションの収益性も悪化することと思われます。また、雨漏りも資産価値に影響します。

ベランダの修繕はマンション全体の価値にまで影響するのです。ちなみに、このようなマンションの不具合は空室リスクや家賃の下落にも繋がり得ます。無頓着でいることは危険です。

1-3. マンション火災とベランダ

建築物を考える時、その住み心地や利便性ばかりに目が行くかと思います。しかし、それだけでは良くありません。火災のような災害に関しても忘れてはいけないのです。

では、そのような災害とベランダはどのような関係があるのでしょうか。

ベランダは避難経路

火災に対しては「消火」と同様に「避難」も非常に重要です。人命を守るためには少しでも早い避難が必要なのです。さて、速やかな避難のためには避難経路が確保されなければいけません。

邪魔になるものがあれば、逃げ遅れて大変なことになり得ます。マンションのベランダは避難経路です。玄関側が火元の場合、ベランダにある隣室との隔て板を破って逃げることになります。

ベランダは非常に重要なのです。

常時の確保が不可欠

火災は時を選んではくれません。そのため、避難経路も常時の確保が必要です。ところで、これは大規模修繕の時にも言えることです。

工事中であったとしても、ベランダから避難できなければいけません。そのため、ベランダの大規模修繕の時には荷物の置き場などにも注意が必要となります。

2. 大規模修繕前のベランダ準備

それでは、実際に大規模修繕を考えるならば、どのような準備が必要なのでしょうか。

2-1. 荷物の撤去と整理

ベランダの修繕は全面に工事が及ぶので、可能な限りスペースを空けなければいけません。そのためには、必要なものと不必要なものを分けて、不必要なものは処分するべきでしょう。その上で、必要なものは整理しておくことが必要です。

ちなみに、この整理の作業は昼間の内に行う方がベターです。大きなものを動かすと、どうしても騒音が出てしまうためです。隣人との関係維持にも遅い時間にならない内に作業をしましょう。

2-2. 荷物の置き場について

荷物の置き場を確保しなければ工事をすることはできません。他の住民に迷惑が掛からないように整理をする必要があります。小さめの荷物であれば居室内に置いて良いかも知れませんが、大きな荷物になると意外と厄介です。

レンタルスペースなどがあれば活用も良いかも知れません。なお、先にも挙げた通り、ベランダは避難経路でもあります。避難についても考えて置きましょう。

2-3. 植物や家具の取り扱いについて

ベランダでガーデニングを楽しんでいる人は、プランターなどを室内に移動させることが望ましいです。また、ベランダにデッキ材やラチスなどを飾っている人も、工事期間中は撤去する必要が出るでしょう。ちなみに、室内に置く場合にはカバーを被せて、家財に汚れが付着しないようにすると良いです。

2-4. 自力で荷物を片付けられない場合には

荷物が大きくなってしまうと、他の誰かの力を借りなければならない事態もあり得ます。そのような時には業者に相談すれば助力してくれる場合があります。特に、家に女性しか残らない時間帯は頼もしく思えるはずです。

3. ベランダ工事中の使用制限とその期間

修繕工事の最中はベランダの使用に制限が発生します。どのような制限が発生するのでしょうか。

3-1. 工事期間中のベランダ利用制限

工事中はベランダに利用制限が発生しますが、その利用制限は工事の内容によって異なります。工事の箇所やボリュームなどによって違うからです。例えば、防水構造によっては既存の防水部分を剥がす必要も出て来ます。

その一方で、剥がさなくても問題の無い現場もあります。また、ベランダは排水部分があり、劣化もケースバイケースです。仕様も構造も劣化状況も異なる場合があるので、一概には言えません。

3-2. 使用制限の具体的な日数

このように、利用制限がケースバイケースになるので、日数も同様にケースバイケースとなります。基本的には工事の前にスケジュールが共有されるでしょうが、予定通りに行くとは限りません。状況次第では遅れることもあります。

そのため、最新の情報を注意して察知しなければいけません。工事に関しては、管理組合から情報が来るケースが多いです。最新情報が届くように注意することが大切です。

4. 大規模修繕に伴うベランダ工事の内容

次に、大規模修繕に伴うベランダ工事の内容について解説します。

4-1. 外壁や防水工事の詳細

外壁や防水の劣化診断を行います。外壁にしても防水にしても、劣化の診断は素人ではできません。専門家が診断を行い、必要な処置を決める格好になります。

次に、ベランダ外壁の修繕や防水工事です。ところで、施工を依頼する立場としては、工事について知っておくことが大切です。確実に施工がされているかどうかの判断を業者任せにするのは良くありません。

自らも情報を集め、施工状態のチェックを心掛けましょう。

4-2. ベランダのタイル補修について

タイルは非常に硬くて耐候性にも優れるのですが、衝撃が加わるとヒビが入ることや剥がれることがあります。そのため、タイルは適切な素材を使って補修をしなければ、仕上がりが良くありません。しかも、タイルが剥がれて落下した場合には、事故にまでなるかも知れません。

補修には細心の注意を払う必要があるのです。

5. ベランダのトラブルを避けるための注意点

大規模修繕工事中は生活空間に制限が発生するため、入居者もイライラしがちなもの。そのため、入居者の間のトラブルのリスクも高まります。しかし、マンションの経営のためには、個人間のトラブルであっても望ましいものではありません。

では、どのようにしてトラブルを抑えるべきでしょうか。

5-1. 情報は積極的に公開する

入居者の間のトラブルが入居者の不満や不安であるとすれば、その原因を取り去ることが必要となります。つまり、精神的ストレスを軽減させれば良いのです。ただ、そのストレスは簡単には取り去れません。

しかし、オーナーとして可能なことはあります。良い例としては情報公開をすることなどがあるでしょう。大規模修繕の情報が掴めれば、入居者の不安も鎮まることと思われます。

5-2. 住民間のコミュニケーションを促す

住民間のコミュニケーションも非常に大切になるでしょう。工事中は何かとイライラするもの。人間関係も悪影響を受けるかも知れません。

しかも、マンション内での人間関係のトラブルは雰囲気にも影響を及ぼします。そのため、マンションを管理するためには住民間の良好なコミュニケーションを促すことが必要です。

5-3. 工事中の騒音や塵埃への対策

工事中はイライラしがちなので、工事の際には可能な限り配慮をしなければいけません。特に、騒音や塵埃には注意が必要です。方法としては、工事の時間帯を決めることや、音が出にくい工法の採用があります。

また、工事の後は掃除を行い、塵埃を取り除くことも大切です。また、挨拶なども欠かせません。入居者を第一にする心構えで取り組みましょう。

5-4. マンション外の近隣住民への配慮

マンション工事で迷惑を被るのはマンションの住民だけではありません。マンションの近隣住民にも迷惑が掛かります。ベランダであれば外にも騒音が届くかも知れません。

しかも意外に長期間に及びます。そのため、近隣住民への配慮も必要です。しなければいけないこととしては、まずは近隣住民への挨拶と工事内容や工事のスケジュールの説明などでしょう。

6. 大規模修繕後のベランダ管理と注意点

次に、大規模修繕後のベランダの管理と注意点について挙げてみましょう。ベランダの修繕工事の後は確かにそのままで使えはするでしょう。しかし、トラブル防止のために、いくつかの手順を踏んだ方がベターです。

ここでは、修繕工事後に踏んだ方が良い手順を挙げてみます。

6-1. 施工業者に仕様の確認をする

最初に施工業者に工事の仕様を確認しましょう。契約書に沿ってヒアリングを行い、内容に合致しているかを確認します。また、仮に契約以外の工事が発生していたとしたら、どのような工事が行われたかをチェックしておきましょう。

施工業者と打ち合わせ

なお、このヒアリングは議事録として残しておくべきです。後日、問題が発生した時にエビデンスになる場合があります。

6-2. 使用前に点検をする

次に行うべきことは現場の点検です。基本的には目視確認となるのですが、それでも不具合が分かる場合があります。施工箇所の点検を行いましょう。

ちなみに、ベランダはマンションの共有部分ではありますが、専用使用が認められている箇所です。入居者の話を聞くことも大切なので、後で使用感などを聞いておきましょう。

6-3. 修繕前と同様に使えるかを確認する

次に行うのが、使用前と同様に使えるかの確認です。修繕前に片付けていたものを再配置してみましょう。ガーデニングを楽しんでいた人などはプランターを戻し、景観的に変わってないかのチェックをしましょう。

6-4. ベランダの劣化と補修要否

ベランダは外壁などと異なって「人の踏む場所」です。足の裏との摩擦もあるので、外壁の劣化条件とは異なった条件に置かれていると言えます。そのため、外壁とは別の専門的は判断基準で要否を確認しなければいけません。

高いレベルでの最終的な補修要否の判断は、専門家による現地診断を受けることを推奨します。

7. まとめ:ベランダの大規模修繕に向けた準備

ここまでベランダの大規模修繕について取り上げました。修繕工事の全体がイメージできたのではないでしょうか。ここでは、記事のまとめとして、事前準備の重要性と住民全体の協力体制について解説します。

7-1. 事前準備の重要性

ベランダの大規模修繕は事前準備が非常に重要であることが分かりました。主なものとしては、次の準備と注意点があったことが分かったことと思います。

  • 荷物の撤去と整理
  • 荷物の置き場
  • 植物や家具の取り扱い
  • 自力で動かせない場合には業者に相談してみると良い

いずれも工事の実施においては欠かせない項目です。

7-2. 専門家の起用

工事に対してマンション管理者がチェックすることは言うまでもなく重要なのですが、建築に詳しくない人には荷が重いとも思われます。情報収集は可能でしょうが、それを理解できるとは限らないからです。そこで考えるべきなのは専門家の起用。

素人のチェックと違い、高い信頼性での確認をしてくれます。ベランダの劣化判断は専門知識が必要です。本記事で基準を示していますが、最終的な補修要否の判断は専門家による現地診断を受けることを推奨します

7-3. 情報公開

工事に関する情報が入居者全体まで届いていないとトラブルの発生確率が高まります。入居者間でのトラブルを回避する上でも情報公開は欠かせません。例えば、工事の完了が遅れている時などは「いつ終わるのか…」などと不安になるかも知れません。

しかし、完了時期を改めて知らせておけば、そのような不安は回避されることでしょう。情報公開は非常に重要となるのです

7-4. 住民全体での協力が成功の鍵

これまでも述べて来ましたが、大規模修繕でトラブルの原因で最も厄介なのが、入居者間の意見の相違や反目でした。場合によってはその後の近所付き合いまで影響し得るので、管理をする側としては頭痛のタネとなるかも知れません。そのような背景があるため、住民全体のコミュニケーションと協力体制が非常に重要です。

考え方の違う人たちをまとめることは簡単ではありません。しかし、大規模修繕は非常に大きなイベント。ぜひとも入居者と一丸となって、成功させてください。

運営会社

株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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